(496)ロードの旅 また来たビワイチ~嫌でも現実と向き合わなくてはならない~

田園風景を走り抜け、たどり着いたのは西浅井町大浦。
「ええ味出してるわぁ」。
「興味深いわ」。
歴史を感じさせる古い町並みに目をやりながらクランクを回す。
「ちょんまげ結った人がその辺を歩いてそうやな」。

ってなことをひとりで想像し、ひとり笑いしそうになった。
ちなみに、今、記事を書きながら思い返してみると、「笑いそうになるほど面白いか?」。
「何が面白いねん?」。
まぁ、それはそれとして、時間に余裕があれば、一度この町を散策してみたいですわ。

小さな町並みは瞬く間に過ぎ去り、自然溢れる湖畔の道へ。
序盤、長い登り坂に直面したが、アウターでも登れる緩やかさで助かった。
俺のロードバイクはフロントギアの調子が悪く、インナーに切り替えるにはテクニックを要するのだ。
そんなもん持ち合わせていない。

西浅井マキノ線(という道だったと思う)を南へ。
左手には湖が見え、「琵琶湖に来たなぁ」という気分に浸りながらクランクを回す。
路面も綺麗で、交通量も少なくて良い。
約10㎞走ったが、走っている車を見たのは5台程度だったと思う。

どこを見ても景色は綺麗だが、いちいち立ち止まってうっとり眺めるほどの時間は無い。
日が暮れるまでにゴールしておきたい。
が、サドルから降りて写真を撮る。
また少し進めばサドルから降りて写真を撮る。
前を走るSさん(同行者 40代 男性)の後ろ姿は見えなくなった。

「この景色とこの走りやすい環境が家の近くにあったらええのになぁ」。
自然とそんな感情が湧き、「ちょっと待てよ。俺が遅いのは環境のせいではないか?うん、そうに違いない」。
一瞬、納得しそうになったが、「自分の脚力を棚に上げ、環境のせいにしてしまう自分に人間的な問題がある」。
そう結論づけた。

空は曇っているが、雨が降ることもなく快適に走る。
「このままクランクを回し続けたい」と心から願った。
振り返ってみると、スタートして少し進んで小雨。
そして豪雨で雨宿り。
これ以上、雨に苦しめられたくない。
20分ほど前、雷鳴が聞こえたような気がしたが、気のせい気のせい。
「とにかく気のせいや」と自分に言い聞かせる。

充実感と不安を抱えつつ、前へ前へと進む。
と、短いトンネル。
そこで、ふと思い出した。
「あ、ここで終わりか」。
前回走った時の記憶では、短いトンネルが3つほど連発で続き、最後のトンネルをくぐった後、坂を下って少し交通量の多い道に出た(はず)。

1つ目のトンネルをくぐって、2つ目のトンネルをくぐって、3つ目をくぐると、「はぁーーー!?」。
びっくりした。
路面がびしょ濡れ。
ポツポツと雨が降っている。
最後のトンネルの手前までは降っていなかったのに、トンネルを境に天候が変わるのか?
たった20mほどの距離で?
納得いかない。
が、目の前に広がる景色は現実なのだ。
嫌でも受け入れるしかない。
やりきれない気持ちで坂を下った。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする