(500)ロードの旅 また来たビワイチ~耐えてくれ!Volt400~

辺りが薄暗くなってきた。
「いろいろあったけど、結局、明るいうちにゴールでけへんかったなぁ…」。
少々気落ちしたが、立ち止まっているわけにはいかない。
ハンドルに固定したVolt400(フロントライト)の電源ボタンを押し、Sさん(同行者 40代 男性)の後を追い掛ける。

交通量の多い161号線をなるべく走らなくてすむルート。
それをSさんに先導してもらったが、しばらく進んだところで砂利道。
「勘弁してくれよ」。
グラベルロードに跨がるSさんはすいすい走り抜け、俺はサドルから降りてロードバイクを押しながら歩く。
と、視界の隅に赤い光。

Volt400の電源ボタンが発する赤い光。
「何やこれ?」。
「このライト、もともとこんな仕様やったっけ?」。
「何か警告してるんか?」。
違和感を覚え、立ち止まって考える。
「あ、思い出した。これ、充電せなあかんサインやわ」。
「あーー!」。
充電するのを忘れたことに気付き、また自分の準備不足に驚愕し、そして落胆する。
「俺、ほんまにアホやわ…」。

琵琶湖大橋を渡ってビワイチを走破した後、守山のホテルに戻る。
それらをトータルで1時間半として、Volt400のバッテリーが耐えてくれるかはわからない。
正直、自信は無い。
「困ったなぁ。充電しようにもやりようが無いわぁ」と天を仰いだ。
が、「あるわ!」。
スマートフォンのバッテリーが切れた時のために、サコッシュにモバイルバッテリーを入れていたのだ。
しかし、よく考えてみるとスマートフォンに対応したUSB Type-Cのケーブルは持って来たが、Volt400はMicro-USB Type-Bのはず。
「持って来たっけ…?」。
サコッシュからモバイルバッテリーを包んだビニール袋を取り出し、中身を確認したところ、「あったわ…。何故か…」。

薄暗い砂利道を歩くと、Sさんが俺を待っていてくれた。
「あの、すみませんけど、適当なところで休憩させてもらえませんかね?」と、今日何度目かのお願い。
本当に、いつもいつも足を引っ張って申し訳無い気持ちです。
「実はですね、ライトのバッテリーがやばくて充電したいんですけど、構造上、充電しながらブラケットに固定するのが無理みたいなんで」。
「そうですか。わかりました」。

Volt400の赤いランプに目をやりながら、湖西線の高架下を進む。
「駅が近いみたいやな。もう、いっそのこと輪行で帰ろうか」と思ったが、「ここまで来てゴールせずに輪行は無いやろ」。
葛藤を抱えた中、クランクを回す。
と、ポツポツ…ポツポツ…。
「嘘やろ?また雨かよ…」。

「Sさん、さっき言った休憩の件なんですが、屋根があるところでお願いします…」。

つづく

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