(503)ロードの旅 また来たビワイチ~北湖2回目のゴール~

琵琶湖大橋の登りきったところ、真ん中でSさん(同行者 40代 男性)が待っている。
急がなくてはならない。
ここまで、雨宿りやパンク修理で無駄な休憩を挟んだ。
まぁ、そのおかげで、体力も脚力も「まだまだ余裕でいける」と俺は感じている。
全身全霊で追い付くのだ。
Sさんに。

クランクを回す。
が、「何やあれ?」。
道の左手に蟹のでかい模型。
店の看板のようだ。
「ほぉ、『かに道楽』って滋賀にもあるんか?」。
まぁ、お店の名前は「かに道楽」ではないが、足を止めて看取れてしまう俺。

我に返る。
「あかんわ。今は蟹どころの騒ぎちゃうんや」。
「Sさんを待たせたらあかんわ」。
本気で脚を回し、前へ前へ。
徐々に登り区間へと突入し、「フロントをインナーに」と左手の指を動かす際に思い出した。
「あかんわ。フロント、死んでるんやわ」。

アウターで登る。
感想としては、「大した傾斜じゃないな」だ。
気持ちに余裕を持って登り進むと、歩道の隅に親近感のある人が。
「お!」。
琵琶湖の夜景に目を向けるSさんがいた。

「お疲れ様です」。
ふたり、さーっと下って琵琶湖大橋を渡り終える。
豪雨やら何やらで苦労したが、ゴールは呆気なかったと思う。
まぁ、2回目のビワイチ(北湖)走破。
やることはやった。

Sさんが足を止める。
「どうしました?」。
「ここ、ピエリ守山ですね。駐車場の入口ですね」。
そうだ。
Sさんは早朝に三重県から車を飛ばし、ここの駐車場に止めている。
「では、krmさん。お疲れ様です」とSさんが帰ろうとしたところを引き留める。
「すみませんけど、ちょっと先にあるローソンまで一緒に来てくれませんかね?」。
「はぁ」。
「トイレ行きたいんですよ。ただね、ロックを持って来るん忘れましてね、Sさんに見張りをお願いしたいなと」。
「はぁ」。

30秒ほどでローソンに着き、店先のサイクルラックにサドルを引っ掛かる。
「Sさん、ちょっと行ってきます」。
トイレに駆け込みながらも、「最後の最後までSさんに迷惑掛けてもうたな」。
反省する。
が、「ここまで掛けた迷惑をカウントし、仮に5個だとしても、それが6個になったところで何が違うねん?」という気にもなり、「後ろめたさを感じるよりも、むしろ堂々としていいんちゃうか?」。
そんな気もした。
人間的に、なかなか未熟である。

ローソンから出て、「有り難うございました。付き合わせてしまいすみません」。
「いえいえ。では、お疲れ様です」。
Sさんは、あまり名残惜しそうな感じも無く走り去った。
何か急ぐ用事があったのか、俺と関わるのに疲れたのかはわからない。

つづく

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