(506)ロードの旅 また来たビワイチ~天一(てんいち)か?糞一(くそいち)か?~

困難に遭遇しまくったビワイチを走り終え、「晩飯食いに行こかぁ」とホテルを出た。
以前から気になっていたお店の場所を確認する。
「秀吉家」。
ここの家系ラーメンは、評判が良いらしい。

家系ラーメンの存在はかなり前から知っていたが、食べた経験は一度しかない。
最近になって、大阪や神戸にも家系のお店が増え、気になって食べてみたものの「えぇ…」。
スープの量が少なかったからか、麺にボリュームを感じすぎてしまい、美味いか不味いかよりも「重いだけ」という印象を持った。
まぁ、たった1軒の店で家系を評価するのもおかしな話なので、「秀吉家で美味い家系を食わしてもらおう」。
そう思い、お店に向かって歩く。

と、「ちょっと待てよ」。
再度、食べログを開き営業時間を確認。
「このまま歩いて店に着く。で、ラーメンを注文して出てくるまでに数分かかるよな」。
「そこからビールをちびちび飲みながら、ゆっくりラーメンを食う…には、時間が足らん」。
「店に着いても、すぐに閉店する時間やん、今」。
諦めた。

ただ、既にラーメンを口になっている。
ホテルの近く、守山駅周辺で開いているラーメン屋をネットで探したところ、真っ先に出てきたのが天下一品(以下、天一)。
前回のビワイチにおいて、同じく守山で宿泊したSさん(同行者)が駅前の天一に行ったそうだが、正直言って「旅先でわざわざ天一食いたいか?」。
俺は不思議に思った。

ちなみに…だが、俺は何も天一を否定しているわけではない。
ちょっと語らせてほしい(いつも語ってるけど)。
俺は20数年前から天一のファンだ。

初めて食ったのは、道頓堀のお店(今は無い)。
味がどうこうよりも「新しい食い物」という印象が残り、2日か3日か経つと「また食いたい」。
その中毒性に侵されて以来、機会を見付けては主に大阪市内の店舗を訪れたわけだが、「チェーン店の割には随分と味にムラがあるよな」と感じた。
見た目こってりスープのラーメンだが、口に含むと締まりが無い。
ぼやけた不味いラーメン。
「こんなん天一ちゃうで」。
そんな経験を繰り返し、王道の美味さを提供してくれる店を「天一(てんいち)」、なんちゃってこってりの不味い天一を「糞一(くそいち)」と呼ぶことにした。
俺の中で。

「Sさん、わざわざ守山まで来て天一食って大丈夫?糞一かも知れんのに。チャレンジャーやな」。
前回、そう思った俺だが、「天一の守山駅前店が『天一』か『糞一』か調査するのも悪くない」といった心境になり、駅の東口から西口へ。
「お、見えた。あそこに天一あるわ」。

入店する。
カウンターにぽつぽつとお客さん。
ソーシャルディスタンスというやつか。
俺は入口から近いカウンターの端に座り、男性店員に「こってり(並)。あと瓶ビールで」。
注文し終え「キマった」と自分に酔っていると、「ニンニクは入れますか?」。
店員さんにそう聞かれ、内心慌てふためく。
と言うのも、天一歴20年以上の俺だが、「ニンニク入れますか?」と聞かれたのは初めてなのだ。
「は、入れます」。

5分ほどして、「お待たせしました」。
こってりラーメンが目の前に出され、まずはスープ。
「うん、真面目な天一の味や」。
角麺を少し口に含み、またスープ。
ラーメンのたれを少し掛け、またスープをすすり、そして麺。
スープから浮き上がるように麺の束を出し、辛子味噌を適度にかけて口に含む。
「美味い」。
「美味い」。

調査の結果、「天下一品 守山駅前店」は「糞一」ではなく「天一」だった。
残ったスープも一滴残らず堪能し、ビワイチにおいて蓄積された疲労が完全回復。
本当に報われた気分になったよ。

つづく

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