(508)ロードの旅 また来たビワイチ~自然の脅威と俺~

守山駅から帰りの電車に乗り、30分後。
京都駅を過ぎた辺りから足が痛くなってきた。
ロングライドに出て、休憩中「座ってるより立ってる方が楽やな」と思うこともあるが、電車の中でただただ突っ立ってるのは苦痛でしかない。
気を紛らわしたいと思い、何となく窓の外を見詰めていると、高槻、新大阪、大阪、尼崎…。
家が近付いてきた。

甲子園口で降り、駅前で輪行バッグからロードバイクを出そうとしたが、大して都会でもないくせにそれなりに人通りもあって、スペースを確保できない。
ならばと、5分ほど歩いたところにある公園に向かったが、「ロード、重いわ…」。
心の中で文句を呟いていると、公園に到着。
「はぁ…」。
3時間ほど歩いたレベルの疲労を感じる。

土の上をとぼとぼ歩きながら、「暑すぎるで…」。
顔を流れる汗をフェイスタオルで拭き、公園の隅に輪行バッグとバックパックを置く。
ファスナーを開け、ベルトをほどいてフレームを出してホイールを出して、「暑すぎる…」。
Tシャツの背中が汗で濡れているのを感じた。
ふと地面に目を向けると、蟻がちょこまかと歩いている。
「おい、蟻。バックパックの中に入らんといてくれよ」。

日差しが強く、痛く、夏らしい天気。
だらだらと前輪、後輪をはめ、「さぁ、さっさと乗って帰ろ」と頭ではわかっているのだが、動く気になれない。
「ちょっと休憩」。
ボトルの水を口に含み、フェイスタオルでパタパタと顔を扇ぐ。
しばらく涼みつつ、何となく空を見上げると、「晴天に恵まれた空やなぁ」。
「くっそ。昨日、この天気やったらよかったのに」。
徐々にムカムカしてきた。

昨日のビワイチでは、豪雨に遭って全身びしょ濡れで走り、視界と路面の状態が悪すぎて雨宿り。
時間をロスした。
途中、雨が降り止み、ジャージもパンツも乾き、「路面に対して神経質にならなくてすむわ」と喜んだが、2回目の豪雨に見舞われ全身びしょ濡れ。
そして、雨宿り。
「もう、ほんまに雨は懲りたわ」。

サドルに跨がりハンドルを握る。
雨に打たれることも雨宿りすることも、路面に神経を使うこともなく家に着き、ロードを玄関の脇に立て掛けた後、布団に直行。
泥がついたフレームやパーツの清掃をする前に、まずは横になりたい。

スマートフォン片手に3時間ほどダラダラしていると、「そういや、朝から何も食べてへんな」。
服を着替えて近くの蕎麦屋に向かい、蕎麦をすすっていると、「あ、そう言えば」。
「あ、しなくてはならない」。
ビワイチ走破のお祝いであり、打ち上げ(参加者:俺ひとり)を。
窓から差し込む夕陽を浴びながら、芋焼酎をちびちび。
「明るい時間に酒飲むのって、ほんま幸せやわぁ」。
1時間後、ほろ酔い気分で店を出る。

と、空が雲に覆われ、急に強い風が吹いてきた。
「やばい…」。
嫌な予感しかしない。
足早に家を目指す。
が、ポツポツ…。
ポツポツ…。
ザーザーザーザー。
「今日も降るんかよ!?」。
「意表、突きすぎやろ!?」。
「傘、持ってへんちゅーねん!」。

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