(518)阪神尼崎ポタリング-3

そろそろかな?
うん、そろそろだろう。
尼崎市観光大使に任命されるのは、もうそろそろだ。
そんなことを考えながら、この記事を書いている。

尼崎城を後に、寺町を経由して商店街に出ることにした。
「阪神電車に乗ってると、出屋敷駅と尼崎駅の間に塔を見掛けるけど、あれはどこやろ?」。
「間近で塔を見たいなぁ」。
しかし、正確な場所がわからない。
「まぁ、ええか」。
いちいちGoogleマップを開くのが面倒なので、勘を頼りに寺町へ、塔のあるお寺へ向かう。

赤信号。
停止。
交差点でぼんやりしていると、背後から聞き慣れない言葉が。
「何かわからんけど、俺、話し掛けられたんかな?」と思い振り返る。
「え?誰?」。
そこには、クロスバイクに乗る、全然知らない東南アジア系の兄ちゃんがふたり。 「俺に何か用?」という意味で、自分の顔を指差したのだが、普通に無視され、彼らは俺の横を通り過ぎた。
「あ…」。
ちょっと寂しいような、自分の自意識過剰さが情けないような、何とも言えない気分になる。

下町の細い道をくねくね進み、「おー、立派な門やな」。
辺りを見回せば、あっちもこっちもお寺だらけ。
帰ってから調べたところ、さほど広くない範囲にお寺が10軒以上も密集しているようで、「なるほどなぁ。納得やわ」。
思わずChromeに語りかけた。

サドルから降りて、お寺をひとつひとつ散策しようとしたが、門が閉まっていたり、開いていても「ロードバイクを押して入ってもええんか?」。
少し抵抗を感じてしまい、道沿いの塀を見詰めて境内を想像する。
塀の前でハンドルを持ち、目を閉じて立ち尽くす俺。
我ながら「何者やねん?」と思ったが、心地好い。

静けさが心地好い。
トラックが走りまくっている交通量の多い道路や、飲み屋街、商店街が近い距離にあるが、ここは別世界のように静かだ。
うん、静かなのは良い。
ただ、ちょっとした味付けとして、「ピープー」という豆腐の移動販売が奏でるラッパ音ぐらいあっても良いかも知れない。

とかなんとか雰囲気と自分に酔っている場合ではない。
Stravaをチェックしてみると、「平均時速:13.0㎞/時」。
いくらポタリングと言っても、ロードに乗る身としてあってはならない数値を叩き出しているではないか。
また、時間を確認したところ、ホルモン屋と弁当屋の閉店時間が押し迫っている。
先を急がなければ。

「さてと。封印していた剛脚の威力を発揮しよか」と寝言をぬかしつつ、商店街に向けて走り出した。

つづく

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