(537)ロードバイクに乗って淡路島を走る~進むか引き返すか~

「確か、ローソンの角を左に曲がって、真っ直ぐ行ったら福良やわ」。
28号線を走る俺。
シチュエーションとしては、前回の記事とは変わらない。
前回、ほとんど進んでいないからね。

山に囲まれた淡路島の内陸部。
ぽつぽつと…ではあるが、住宅や店舗が視界に入る。
土地が有り余っているからなのか?
歩行者などいない割に広く設けられた歩道をのんびりと走る俺。

とりあえずの目的地はローソン。
トイレを借りて、眠気覚ましに顔を洗いたい。
あと、ティッシュを買っておこう。
鼻炎のせいか気温のせいか、鼻水が止まらないのだ。

鼻をすすりながらクランクを回していると、「そう言えば…」。
以前、この辺りで知らないロード乗りと挨拶を交わし、清々しい気持ちになった。
彼はヘルメットを被りアイウェアを掛けていたので(俺もやけど)、残念ながら顔はわからなかったが、「あの人とまた会えたらなぁ」。
そんな気分になって辺りを見回したところ、走っている車以外に動いているものは何も無かった。

「ここや、ここや」。
ローソンに着き、車止めにロードバイクを立て掛けてOTTOLOCK。
入店した後、ついさっき心に決めた「ティッシュ買おう」を失念し、ハイチュウを持ってレジへ。
清算を終え、トイレの洗面台で顔を洗っていると、鏡に映る自分を目にして「クマ、はってるやん…」。
一瞬、「一周したらパンダみたいになっておもろいよな」と思ったが、自分の顔をネタにしている場合ではない。
「やばいわぁ…」。
自分が疲れていることを客観的に認識し、少なからずショックを受けた。

体のどこかが痛いわけではない。
ただ、眠たい…。
そして、疲れた…。
このまま福良まで進めるのか?
どうも自信が薄れていく。
仮に、Nさん(50代 男性 淡路島まで俺を車に乗せてくれた人)との待ち合わせ場所、淡路SAに引き返すにしても、40㎞~50㎞を走らなくてはならない。

悩む。
進むか引き返すか。
様々な観点から考えよう。
おそらく、後日、我がサイクリングチームのチームメイトA、Bから「淡路島はどうでした?」と聞かれることだろう。
ここで引き返した場合、「ローソンに行きましたわぁ」と答えなくてはならない。
まぁ、間違い無くアホと思われる。
ならば、電車に乗って移動するのはどうか?
眠れるし疲れないし、「淡路島の××と○○に行った」という実績は作れる(電車やけど)。
「OK。その線でいこか」。
今回の旅の主旨など、もう、どうでもよくなった。

が、ちょっと待てよ。
俺は逃げ道を確保したつもりでいたが、よくよく考えてみると、淡路島には電車が通っていない。
「はぁ…」。
目をこすりながらサドルに跨がり、うつむいてクランクを回す。
目指すは福良…。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする