(539)ロードバイクに乗って淡路島を走る~ロデム、召喚~

淡路島南東部の山岳地帯を放棄し、福良に向かう。
まぁ、前回、前々回に続き「福良に向かう」わけだが、この記事を書いていて、書いている本人である俺が「なかなかたどり着かんな」。
「いつ福良に着くねん?」。
そう感じる。
まぁ、実際に走った印象として、走りにくく退屈で鬱陶しかった…なので、記事もダラダラするのは仕方が無い。
俺は何も悪くない。

と言うわけで、話を進める。
淡路島には洲本以外に開けた町が少ない。
ただ、小さな町は点在しており、その町と町の間は走りやすいと思う。
それなりに田舎なので。

側道から28号線に合流し、しばらくは快適に進めた。
小さな町と町の中間地点なのだろう。
前を向くと、緑と青い空、灰色のアスファルト。
郊外だからか交通量は少なく、道幅も広い。
「ついに俺の時代が来たな」と、一心不乱にクランクを回したが、すぐに次の町が見えてきた。

途端に道が狭くなり、交通量が増える。
道を囲むように建物が増え、また我慢の時間帯が始まった。
「車、怖いわ」、「走りにくいわ」と歩道に逃げる。
しかし、ロードバイクに乗っていると、気分の問題なのだが、歩道を走るのは不愉快。
「自転車は車道…なんやから、ええやろ」と、また車道に出て、「怖いわ」と歩道へ…を繰り返した。

前をクロスバイクに乗った小太りの男が走っている。
スーツ姿なので通勤中のサラリーマンだ(と思う)。
俺は「頑張って走ってはるわぁ」と感心し、後ろ姿を見つつクランクを回した。
何となくサイコンに目をやると時速20㎞ちょっと。
あまり速いとは言えないが、前に誰かが走っていると安心する。
しばらくはサラリーマンの後ろをキープし、少しずつではあるが福良に近付いた。

サラリーマンは途中で左折し、お別れ。
真横をすり抜ける車に注意しながら脚を回す。
と、少し先に男子高校生。
クロスバイクでもないが、ママチャリよりもややスポーティーな自転車に乗る彼。
遅刻しそうなのか、立ち漕ぎで必死にペダルを踏んでいるように見える。
が、「悪いね」。
心の中でそう呟いた後、彼をぶち抜いた。

町の中を進めば進むほど信号の数が増える。
「鬱陶しいわぁ」と溜め息を吐きつつ信号待ちをし、またスタートすると前方に男子高校生。
「こいつ、さっきの…」。
また高校生をぶち抜き、信号待ちの後走り始めると、前に「また、こいつか…」。
ワープでもしたのかと不思議に思い、後ろから彼を観察する。
と、どうやら基本的には車道を走るが、信号が赤になると歩道に上がり、信号無視して横断歩道を渡ると、また車道へ…のようだ。

「急いでるんはわかるけど、せっこい走り方してるよなぁ」。
信号待ちの後、呆れながらクランクを回し始めると、また前方に男子高校生が現れた。
「どうせここで抜いても、また信号無視して前に出るんやろなぁ」と思い、そのまま彼の後ろを走ることにする。

もがくようにペダルを踏む高校生。
そんな彼の後ろ姿を見つつサイコンに目をやると、時速25㎞ほど。
「こいつ、なかなかやるやんけ」。
「車道を走ってる間は、風除けになってくれそうやな」。
「使わせてもらうわ」。
俺は彼に「ロデム」と名付けた。

つづく

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