(542)ロードバイクに乗って淡路島を走る~28号線を北上する~

10月28日(水)午前8時台 福良。

わざわざ淡路島まで来たのに、寝不足で走る気になれない。
思い返すと、出発前にゆっくり睡眠を取る時間はあった。
ただ、ちょっとした用事で飲み屋に行き、すぐに帰るつもりがそこそこ飲んでしまい…、家に帰ってからも飲んでしまい…。
早朝、Nさん(50代 男性 鳴門で鯛釣りをする人)の車に乗り、淡路島に着いてから眠くて眠くて仕方が無い。
缶コーヒーを飲んで、禿げたお爺さんのトリッキーな動きを見て眠気は覚めたが、またすぐにぐったり。

30分ほど目を閉じ、頭も体も少しは休めたと思う。
「そろそろ行こかぁ」。
サイクルラックからサドルを降ろし、淡路島の残り半分を走るのだ。
「また機会があったら寄るわ。道の駅 福良」。
クランクを回し始めると、道の駅の向かいに「淡路人形座」。
福良に訪れる度、前々から気になっていた。
「淡路島の福良と人形浄瑠璃に何か深い結び付きがあるのか?」と。
まぁ、少し調べたらわかることである。
ただ、気にはなるけど、今まで一度も調べていない。

左足を地面に落とし、振り返る。
そして、先ほどまでいた「道の駅 福良」に目を向けた。
何も感傷にふけたわけではない。
「朝からまともに食ってへんし、何か食った方がええんちゃうか?」と考えたからだ。
「う~ん。ま、ええやろ。出発」。
俺はクランクを回した。

往路において、渋滞や歩道の劣悪さに苦労したが、それが逆に作用したのだろう。
正直、愛着が湧いた。
「28号線、おぉ、マイロード」。
通勤、通学の時間帯が終わり、走りやすくなったマイ28。
「愛せ!そして走れ!」と脚を回し、サイコンに目をやると時速32、33、34…。
追い風を感じる。
そして、サイクリングの楽しさ、幸せを全身に感じ、俺は28号線を内陸部へと北上した。

が、途中で気付く。
「間違えたな」と。
「うん、間違えた。明らかに」。
疲労や眠気で頭がぼんやりしていたからか、生物としての帰巣本能なのか…。
「アホすぎるやろ…」。
俺は福良から28号線を北に進んだが、スケジュールでは福良から西へ、海沿いの道を進むはずだった。
「あぁ…、無駄に走ったな…」。
脚を止め、振り向いて悩む。
頭では「福良に戻って軌道修正しよう」なのだが、「面倒くさいわ」が圧倒的シェアを占め、そのまま北に向けて走ることにする。
脚を回しつつ、「アワイチ」という言葉からどんどん遠退いて行く気がした。

葛藤はあるが、過ぎたことをいちいち後悔しても仕方が無い。
正直、「早く帰って寝たいわ」(310回目)。
まずは内陸部を進み、適当な所で左折して西側の海に出る。
そこから北上し、スタート地点の岩屋へ。
サイクリングを楽しむよりも、「寝る」の方がプライオリティレベルが高い。
そんな自分に気付いた。

つづく

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