(555)ロードバイクに乗って淡路島を走る~程度の低い私の思い込みのせいで…~

一般道から淡路SA(下り)を続く狭い通路。
一応、照明は点いているが、やや薄暗く感じる。
出発の際、まだ暗い時間帯にもこの通路を歩き、「なかなか不気味やな」と思ったが、昼間でもちょっと嫌な雰囲気。
「おっかないよなぁ」。
「でも、迎えに来るNさん(50代 男性)と合流するには、この先の淡路SAに行かなあかんしな」。
俺は仕方無くロードバイクを押して歩いた。

「ガラガラガラ…」。
背後からキャリーバッグを引きずる音。
どうも、女性ふたりで話しながら歩いているようだ。
反射的に、「中国人観光客か」と思ったが、耳を澄ますと日本語で会話している。
高速バスの乗り場に行くのだろうか。
まぁ、どうでもいい。

ひとつ目の長い通路を潜り抜けると、観覧車が見えた。
「やっと帰ってきたで…」。
またとぼとぼ歩くと、ふたつ目の短い通路。
すぐに通り抜け、観覧車。
「もう休める…」。
後はベンチに座り、景色を眺めつつ焼酎でひとり飲み会だ。
「適当に焼酎飲んでから、Nさんが迎えに来るまで寝たらええわ」。

ハンドルに手を掛けゆっくり歩くと、売店の入った施設が遠くに見え、辺りをぼんやり眺めた後、ベンチに座る。
「ゴール!」なのだが、どうも引っ掛かる。
何か引っ掛かる。
辺りには、ロードバイクに乗る人、押して歩く人がひとりもいない。
淡路島はロード乗りにとって西の聖地だろう。
淡路SA(下り)に駐車し、スタートするロード乗りがいてもおかしくない。
が、それっぽい人をひとりも見掛けない。
「もしかして、ここ、自転車で入ったらあかんところか?」。

「俺は…してはいけないことをしているのか…?」。
少し動揺する。
「そう言えば、さっき通った通路の入口に駐輪場があったよな」。
「うん。女の人が自転車の鍵を開けてたところやな」。
「あそこに駐輪場があるということは…、その先は自転車での通行が禁止されてるってこと?」。
スマートフォンのアルバムを開き、これまで撮った写真に目を通す。
「お、これやこれや。さっき通路の入口で撮った写真や」。
そして、凝視するまでもなく、「うおー!思いっ切り『二輪車 自転車 進入禁止』って書いてあるやんけ!」。

ロードを押しながら淡路SA(下り)をうろついたことは、今回が初めてではない。
Nさんの車で淡路島に来た際は、毎回、淡路SAの駐車場で降ろしてもらい、また帰りも同じ場所で乗せてもらう。
今まで俺はずっと当たり前のように「自転車 進入禁止」ルールを破っていたのだ。
「でもおかしいよな。誰かに教えてもらったはず。淡路SAは自転車OKって」。
ベンチに座りながらネットで調べてみると、解決した。
一般道から自転車での通行が可能なのは、淡路SA(下り)ではなく、少し離れた淡路ハイウェイオアシス(カフェ、レストラン、土産物屋がある)なのだ。

自分の過失を認めよう。
そして、潔く謝罪したい。
が、誰に謝罪すればよいのか。
俺なりに考えてみたころ、「『国土交通省』でええんかな?」となった。

国土交通省様
程度の低い私の思い込みで、淡路SA(下り)に自転車で進入しました。
それも、一度や二度ではありません。
これまで、まるで社会通念かのように、淡路SA(下り)内にて何度も自転車を押しながら闊歩しました。
今は自分の過ちに気付き、また深く反省し、同じ過ちを二度と繰り返さないと心に誓っております。
何卒、ご容赦ください。
以上

と、脳内で謝罪文を読み上げ、ベンチに横たわる。
ぐったりしながら考えることと言えば、「俺、ほんまにアホやなぁ」ということ。

つづく

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