(562)ロードバイクに乗って地蔵寺、そして大日寺へ。-2

午前6時になる少し前、Nさん(50代 男性)は釣り道具を担いで渡船に乗り、俺の視界から消え去った。
ちなみに、真鯛を詰め込んだクーラーボックスを持ち、天下を取ったような顔で帰って来るNさんを想像できない。
Nさんと鳴門に来たのは今回で何回目かはわからないが、帰りの車の中で景気の良い話を聞いたことは少ない。
極めて。
まぁ、それはそれとして、俺のスケジュールを決めなくてはならない。

目的地については既に決めてある。
四国八十八箇所霊場の第4番札所の大日寺、第5番札所の地蔵寺だ。
このふたつのお寺には必ず訪れたい。
と言うのも、半年ほど前に「『ロードバイクで走るお遍路』の予行演習をしよう!」と、第1番札所の霊山寺から第9番札所の法輪寺まで進んだが、大日寺と地蔵寺を訪れることはできなかった。
一応、「ここを右に曲がって、しばらく進むと大日寺や」という地点まで来ていたのだ。
が、交差点でGoogleマップを確認していると、知らない車の運転手にクラクションを鳴らされ、「あっちや、あっちや」と手で合図を送られ、進んだ先が第6番札所の安楽寺。
とまぁ、意図せず大日寺と地蔵寺をスルーすることとなり、それが心に引っ掛かっていた。

「うん。ルートはOK」。
だらっと助手席に座ったまま、スマートフォンアプリ「自転車NAVITIME」を確認し、「さぁ、そろそろ出発しようか」。
そう言いたいところだが、出発はしない。
早く出発したところで、山門が閉まっている可能性がある。
「どうせ時間に余裕あるんやから、もうちょっと車の中でダラダラしよう」と目を閉じた。
しかし、特に眠気を感じず、「ダラダラしていても体がなまるだけやなぁ」。
「準備運動を兼ねて、渡船乗り場の近所を散歩しよかぁ」。

車を降りると、やや肌寒い。
目的も無くとぼとぼ歩き、朝焼けの小鳴門大橋をぼんやり眺め、「あぁ、俺はひとりで何をしてるんやろ?」。
妙に虚しくなり、すぐ車に戻った。
そして、また助手席でダラダラし、「はぁ…」。
「いい加減、出発しようか…」。

トランクからロードを降ろし、鳴門の市街地に向けて走り出す。
と、ヘルメットを被って自転車に乗る中学生をちらほら見掛け、遠出している実感が湧いてきた。
それにしても、この日に限らずチャリ通の学生を目にするたび思うのだが、もしもノーヘルで通学した場合、教師にキレられるのだろうか?
「お前、今日もノーヘルか!?ノーヘルやから停学!」とかあるのだろうか?
興味深い。
俺の出身中学にはヘルメットを被る文化が無かった(そもそもチャリ通禁止)からか、とても興味深い。
あ、ヤンキーはどうしてるのだろうか?
ヘルメットに「全国制覇」のステッカーを貼っているのだろうか?
あと、「なめんなよ」とか。
いや、調子に乗って間違った方向に突っ走り、フルフェイスを被ってチャリ通とか。
本当に興味深い。
その辺りを調査し、まとめたブログをいずれ立ち上げたいと思う。

つづく

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