(563)ロードバイクに乗って地蔵寺、そして大日寺へ。-3

午前8時前、鳴門駅近くの商店街。
どこもかしこもシャッター、シャッターで、静まり返っている。
ここから大日寺、地蔵寺へは、距離として30㎞も無い。
12号線を西に向けて適当に走れば、いずれ目的地に近付く。
ただ、「気が進まんよなぁ…。12号線…」。
車道の幅が狭い割りにはそこそこの交通量があり、仕方無く歩道に逃げても路面はガッタガタ。
走りにくくストレスが溜まる12号線は、なるべく避けたい。
ならばと、側道を選択。
「賢明な判断である」とこの時は思った。

側道。
帰ってから調べたところ、「旧撫養街道」というらしい。
まぁ、それはいいとして、俺は今までも何度か走ったことがあり、「道は狭いけど信号はほぼ無し。交通量も少ない」という印象を持っていた。
が、通勤ラッシュの時間帯と重なったからか、「いつもより走ってる車が多いよな」。
クランクを回し、少し進むと停止。
また少し進むと停止。
「何や?前の方でつっかえてるみたいやな」と前方を凝視する。
「はぁ?」。
道が狭すぎて車がすれ違えない箇所があるようだ。
お互いに譲り合って車が流れだし、俺もそれに便乗して進む。と、また停止。
「はぁ、なんちゅー道やねん?」。

スタートして1時間も経たないうちにイライラが募ったが、交通量は徐々に減り、そして気持ちも落ち着いてきた。
せっかく遠出しているのだから、快適に走りたい。
少し大袈裟だが、「やっと俺の時代が来た」と思いつつ脚を回す。
と、「あぁ…、もうちょっとで12号線に合流するなぁ…」。
またストレスを感じるのは嫌なので、他に迂回できるルートは無いか調べてみたところ、無い…。
「鬱陶しいよ」。

嫌々、12号線を西へ走る。
ここも道が狭いため、真横を走る車が怖いほど身近に感じられ、路側帯に逃げた。
が、路側帯も狭く、仕方無く歩道へ。
人通りは0に近い。
「我が儘に歩道をガンガン走ろうか」とも思ったが、段差も多くガタガタの歩道。
路面からの突き上げがきつく不快でしかない。
「何で鳴門まで来てイライラせなあかんのか…」。
とまぁ、文句ばっかり言ったところで目的地への距離は縮まらないので、ちんたらちんたらと進む。

「確か、この交差点を真っ直ぐに行かんと左に曲がれば側道やな」。
「交通量も少ないし、目的地まで少しショートカットできて都合がええわ」。
進路を変え、田舎の町中を走る。
住宅が密集し、ぽつぽつと商店が並ぶ小さな町。
「これはこれで風情があるな」と足を止め、写真を撮ろうとした時、背後で「うぉー!」と叫び声。
少しおののきつつ振り返ると、知らないおっちゃんが「うぉー!チャリダー!」。
叫んだ後に「ガハハハハ」と高笑い。
この人なりの挨拶なのか冗談なのかわからないが、なかなか豪快なコミュニケーションを取る人である。
俺は軽く会釈した後、すぐにその場を離れた。

つづく

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