(565)ロードバイクに乗って地蔵寺、そして大日寺へ。-5

11月25日のこと。
朝の9時過ぎ、第5番札所の地蔵寺に到着。
ロードバイクを押してとぼとぼと歩き、山門の写真を撮ろうとしたが、お遍路さんの集団が記念写真の撮影中。
俺としては、山門の前でピースする知らない人たちの写真など微塵も必要としていないわけで、彼らが通り過ぎるのを待つ。
と、集団のひとり、白装束のおばちゃんが、笑顔で会釈してくれた。
「待っててくれてすみません」という意味だろう。
「どういたしまして」。
俺も会釈を返す。

山門をくぐり、右手に弘法大師像。
うちの家が真言宗なので、俺は弘法大師に対し一方的に親近感を抱いている。
同じように、弘法大師も俺に親近感を持ってくれている…と信じたい。
今回のライドはたかが60㎞程度だが、「僅かな距離でも俺を無事に帰して下さいませ」。
心の中で手を合わせた。

境内に目をやると、大きな銀杏の木。
彩りのある黄色が、お寺の風景にアクセントを加えているようだ。
と言ったわけで、印象に残る銀杏だったため、帰ってからネットで調べたところ、樹齢800年であると。
人間の寿命などしょぼいもんですね。

また山門をくぐり外に出て、次の目的地である大日寺までのルートをチェックする(真っ直ぐに進むだけなんですけど、一応ね)。
Googleマップに表示される大日寺周辺は緑色。
首を大日寺の方向に向け、目視すると山。
「気のせいやろ」と自分に言い聞かせたが、現実として大日寺は山の中にあるようで…、俺は登りが大嫌いだ。

急激にテンションが下がる自分を感じる。
「拷問と向き合ってまで行く価値なんてあるんか?」。
「Googleマップを見る限り、絶望的にダルいで。この先は」。
「休みの日にやなぁ、わざわざ苦しい思いをする意味なんか無いやろ?」。
脳内において、文句をつぶやき続け、現実逃避する準備が整った。
が、「ちょっと待てよ」と。

鳴門の渡船乗り場からスタートし、ここまで25㎞~30㎞ぐらいだった(だろう)。
ストレスを感じることもあったが、体は疲れていない。
現時点で、脚はピンピンしている。
また、帰りも同じ道を進むとして、25㎞~30㎞程度。
大したことはない。
更に、コンディションとしても問題無い。
「いつやるか?今でしょ?」と、誰かの声が脳内に響いた。

が、「次の機会でいいでしょ?来年の春ぐらい」と答え、俺は鳴門の渡船乗り場に向かった。
ではなく、「あぁ、しゃーないなぁ」。
真正面に山を見つつ、大日寺への一直線の道を登り始めた。

つづく

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