(582)ロードバイクに乗って向かった、から揚げの天才(天才!)テケテケテケテケ-2

尼崎市と宝塚市を結ぶ尼宝線を北に進むと、JR神戸線の高架が見えてきた。
「右に曲がって線路沿いに走ったら、立花の駅がすぐやな。多分」。
少し先に高層マンションが見える。
「まぁ、あの辺に駅があるんやろ」。
集中してクランクを回す…つもりが鼻水がやばい。
立ち止まって鼻水を拭き、また目線を前に向ける。
それにしても、鼻炎は本当に辛い。

JR立花駅の北側に出る。
辺りを見回すと、真上に同意線の陸橋があるせいか、妙に薄暗く感じた。
まぁ、それはそれとして、「もうちょっと先やな」。
ゆっくりクランクを回すと、「いかにも」と唸りたくなる下町の商店街。
俺にとって、立花の商店街で飲んだ経験は2回しかないが、「なかなか面白そうな店が並んでるやん」。
以前、そんな印象を受けた。

「多分、この辺りやわ」。
サドルから降りて、ビンディングシューズにクリートカバー。
手をハンドルに軽く添え、商店街の中に歩く。
人通りは少なく、閉まっている店も多い。
おそらく、どこも正月休みなのだろう。
と、妙に活気のある一角。
「あっこやな。『から揚げの天才』は」。
電柱にロードバイクを立て掛け、OTTO LOCK!

店の前には6、7人のお客さんが並んでいたが、バラけた並び方をしているので、注文する列なのか、または注文を終えて待ってる人がただ立っているだけなのか…とにかくわかりにくい。
「わかるようにさばいてくれよ…、店員…」。
心の中で文句を言いながら、列をなさない列の後ろに足を進める。

テテッテッテッ テッテテー
あーげたて からあげ あーげたてからあげ
てってってーんさーい (天才!)
テケテケテケテケ テケテケテケテケ
立花の皆さん!テリー伊藤です!
唐揚げと玉子焼きのお店ですよ!
あーげたて からあげ あーげたて からあげ
てってってーんさーい (天才!)
テケテケテケテケ…

待っていると、延々と流れるテーマ曲が耳に入る。
もう洗脳されてしまいそうだ。
「これはやばいな」と思い、耳を塞ごうとした時、また新たな客。
初老の男女が、列をなさない列の後ろに並んだ。

繰り返すが、注文する人の列はここで、受け取りを待つ人の列はここ…というのがわかりにくい、無法地帯のような店先。
「下手したら、後で来た人に抜かされてまうな」と不安を感じ、列を無視して受取口に進む。
そして、「予約したkrmです」と店員に伝えた。
が、「まずは会計をお願いします」とのこと。
俺としては、「その会計をしようにも、列がむちゃくちゃなんや」と不機嫌に。

仕方無く、列をなさない列に戻り、テケテケテケテケ…を聴きながら待つと、「多分、前の人は注文を終えたんやろ」と判断し、「予約したkrmです」。
積極的に前へ出て、精算。
当たり前のように買い物したくてもできず、なかなかイライラしたが、結果的にからたま弁当を買うことができた。
Continentalのタイヤのおまけに付いてきたジムバッグに弁当を突っ込み、「さぁ、帰ろか」とクランクを回す。
と、例の曲が自然に脳内で再生。

あーげたて からあげ あーげたてからあげ
てってってーんさーい (天才!)
テケテケテケテケ テケテケテケテケ
立花の皆さん!テリー伊藤です!
唐揚げと玉子焼きのお店ですよ!

つづく

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