(588)ロードバイクに乗って川西方面へ-1

「今年こそは、暇さえあればロードバイクに乗る1年にしよう」。
何年も連続でそう誓い、何年も連続で実行に移せていない。
しかしだ。
「今年の俺は違うよ」。
根拠の無い自信を胸に、令和3年を迎えた。

なるべく明るい時間帯に少しでも時間を設け、俺はおれなりに走った。
なかなかの充実感を味わい、「やっぱり今年の俺は違ったな」。
有言実行を果たすことで、自己愛が徐々に肥大化する。
が、後になってStravaを確認すると、1時間以内に収まるライドばかりだ。
距離として20㎞ほど。
「走る回数は増えたけど、内容はしょぼいよな」。
そんな気した。

「ならば、少し範囲を広げよう」。
脳内でいくつかの景色が浮かんだ。
「明石もええな」。
「大阪城も久々に行きたいな」。
そして、それぞれのルートを思い浮かべる。
と、同時に悩み始める。
普段、サイクリングロードばかり走っているせいか、「一般道を走るんはダルいわぁ」となり、「そんなこと言ってたら、狭い範囲しか走られへんやん。何のためにロード乗ってるねん?」。

自問自答を繰り返した結果、行き先を「川西能勢口」に決める。
往復で35㎞ぐらいだろうか。
遠すぎず近すぎず、丁度いい。
そう言えば、野間の大ケヤキや猪名川サイクリングロードへ走った際、川西能勢口駅近くのおにぎり屋で買い物した記憶がある。
JAが経営する店で評判も良く、実際に食ってみて美味かった(記憶)。
「おにぎりを買うために35㎞走るライド…なんかアホらしいけど、行ってみよか」。

家を出て、歩道をゆっくり北へ走ると国道2号。
「ここからが本番やな。まずは武庫川を渡って尼宝線まで進んで…と」。
車の流れを確認した後、車道に出てクランクを回し始める。
サイコンに目をやると、時速20㎞から25㎞、30㎞。
調子が出てきた。

2号線は、いつもながら交通量が多い。
しかし、路側帯が広いため走りやすい。
まぁ、路側帯が広いため路上駐車をよく見掛け、それを邪魔に感じることもあるが、この日はすいすいと進めた。

ジャージの中が軽く火照り、寒さなど感じない。
また、走りやすい環境のおかげで自然とケイデンスが上がり、「気持ちいい…」。
マスクの下から言葉が漏れる。

「サイクリングは、常にこうあるべきなんやわぁ」と思う。
赤信号、赤信号のオンパレードでストレスを溜め、真横を飛ばす車に恐怖を感じながらクランクを回すのは楽しくない。
やはり、快適な環境で、充実感と心地よい疲労感を覚えながら走り続けたい。

「川西能勢口まで、このペースで行けたらなぁ」と願いつつ脚を回していると、「あの交番を左に曲がったら尼宝線やな」。
ゆっくり左折し、尼宝線を北へ走り始めたところ、なかなかの渋滞。
現実に引き戻された感覚。

まぁ、日本中の道路が俺の都合に合わせて作られたわけでもなく、道路を埋め尽くす車のドライバーにはそれぞれの都合があるわけで、文句を言っても始まらない。
「走りにくさ」も込みで楽しもう。
と、悟りを開きかけた時、「ギギギ・・・」。
前方に、俺の天敵である阪神バスが見えた。
しばらくは、バスを抜いたり抜かれたりが繰り返されるだろう。
「うっわぁ。半泣きなるわぁ…」。

つづく

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