(601)福島の551蓬莱へロードバイクに乗って走る-4

「ロードバイクに乗って豚まんを買いに行こう」と、大阪の福島に向けて走り、約13㎞。
「551蓬莱」の袖看板が見えてきた。
俺はサドルを降り、ハンドルに軽く手を掛けてゆっくりと歩く。

蓬莱福島店は、中華レストラン。
また、レストラン入口の脇、店先にテイクアウト窓口がちょこっとある店舗。
繁華街や駅ナカにある店舗ではないため、「並ばんでも買い物できるやろ」と軽く考えていたが、この日は先客が2人。
仮に、客A、客Bとする。

客A&Bは、店員に何やら注文をしている。
「とりあえず、この人らの後ろに並ぼ」と窓口へ向かうと、新たな客Cが現れ、彼は窓口の右側に並んだ。
「あぁ、先を越されてもうた。まぁ、ええか」。
俺も窓口の右側、客Cの後ろに並ぶ。
と、また新たな客Dが出現し、窓口の左側に並んでいるではないか。

「おい、正解はどっちや?窓口の右側と左側、どっちに並んだらええねん?」。
「店員の方で指示してくれよ…」。
ハンドルを握りながら困惑していると、窓口の左側に新たな客E、F、G。
「前にここで豚まん買った時は客おらんかったのに、コロナの影響か?テイクアウト、盛り上がりまくってやんけ」。
そんなことを考えていると、客Gの後ろに新たな客H。
俺はロードを店の前に立て掛け、客Hの後ろに並んだ。

窓口に目をやると、「こちらの商品は本日中にお召し上がり下さいね」。
「こちらの商品は××時までに…」。
丁寧に接客している店員。
それはそれで素晴らしいが、俺からすると「頼むから早くしてくれ」だ。
ロードが盗難に遭うかも知れない。
振り返ってロードが無事であることを確認し、また窓口に目をやり、またロードに目をやり…を繰り返していると、いつの間にか俺の後ろに客I、J、K。

「ほ~、めっちゃ人気やんけ」。
「いやぁ、たまたま混んでる時間帯なんかな?」。
窓口に目を戻す。
相変わらず、店員は丁寧に接客しているが、「お願い…。早くして…」。
また振り向いてロードに目をやると、並んでいる客Kが俺のロードの横で煙草を吸っているではないか。

客Kは、キャップを斜めに被った小太りの20代男性。
左手には煙草。
まぁ、ここが路上喫煙禁止地区ではないのなら(知らんけど)、好きに吸ってくれればいい。
が、彼の真横に俺のロードが立て掛けてある。
「お前、ロードに灰をかけるなよ」。
「燃やすなよ」。
「何気無く煙草吸ってるんやろけど、ほんの少しでもフレームと煙草を接触させんなよ」。
念じ続けていると、前の客Hの買い物が終わり、やっと俺の番だ。

窓口に進み、「豚まん2個入りと餃子10個入りをお願いします」。
早口で店員に伝えた後、ロードの横で煙草を吸っている客Kを睨む。
と、「餃子10個入りが売り切れていまして、1分半待って頂けますか?」。
俺はさっさと買い物を終え、客Kの近くからロードを引き離したい。
「なら、結構です」。
餃子はもういいとして、豚まん2個入りを待つ。
と、「餃子15個入りでしたら、すぐにご用意できますが」。
普通に「そんなに食われへんわ」だし、ロードの近くで煙草を吸う客Kが気になって仕方がない。
「いえ、結構です」。
精算を終え、豚まんが2つ入った箱を受け取り、小走りにロードの元へ(5mほど)。
フレームやホイールを確認したところ、何も問題は無く、胸を撫で下ろした。
それにしても、俺は神経質すぎるのかも知れない。

ブランド物のバッグ(continental)に豚まんの箱を入れ、ゆっくりとクランクを回す。
これからが勝負だ。
なるべく早く帰りたい。
豚まんが温かいうちに家に戻り、温かい豚まんを頬張りながら缶ビールを飲むのだ。

つづく

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