(605)千博屋の唐揚げ弁当を目的とした淡路島ライド~出発~

2月11日。

2時。

スマートフォンから鳴り響くアラーム音で目を覚ます。
溜め息を吐いた後、心の底から「だるいわぁ」と思いながら、ロードバイクのタイヤに空気を入れる。
本来なら、ゆとりを持って前日に終えておくべき作業かと思うが、面倒なことは後回しにするのだ。
何事も。

湯船に30分ほど浸かり、何となくだが目が冴えてきた気がする。
風呂を上がり、カスクやグローブ等をバッグに入れ、財布の中身をサイクリング用の財布に移す。
本来なら、ゆとりを持って前日に終えておくべき作業かと思うが、面倒なことは後回しにするのだ。
何事も。

3時50分。

缶コーヒーを飲みながらゴロゴロしていたが、そろそろNさん(50代 男性 趣味は釣り)が車で迎えに来る。
我々は淡路島へ行くのだ。
インナーパンツを履き、その上にバイカーズパンツ。
アンダーウェアに袖を通す。
で、「アウターはどうする?」と自分に尋ねる。
おそらく、最高気温は10度前後。
なら、ジャケットを着るべきだろう。
ただ、由良からスタートし、いきなりえぐい登りが待っている。
かなり汗をかくだろう。
となると、ジャケットはいらない。
「うん、これでええやろ」。
長袖ジャージに袖を通し、後で後悔することになる。

玄関を開けロードを出す。
外は真っ暗。
マンションの廊下の電球が切れている。
トップチューブを肩に乗せて階段を降りると、Nさんの車が停まっていた。

「おはようございます」。
「おはようございます」。
トランクを開け、釣竿やクーラーボックスを端に寄せ、ひっくり返したロードを詰め込む。
「では、行きましょうか」とNさん。
俺は首を縦に振り助手席に座ろうとしたが、「あ、ちょっとすみません」。
アイウェアを忘れていた。
家に戻り、アイウェアを頭に乗せて「では、行きましょうか」。

4時5分。

車は43号線を西に進み、高速に乗った。
「あの、○○町に新しいラーメン屋ができたん知ってます?」。
運転するNさんが睡魔に襲われないよう、気を使って話し掛ける。
「あぁ、知ってますよ。××町から○○町に移転した××屋でしょ?」。
「Nさん、そこじゃないんですよ。昨日、蕎麦屋の店主に教えてもらったんですが、○○病院の前の道を南に下ったら、交番がある交差点に出ますよね?」。
「はい」。
「そこを更に南に下って、ひとつ目の信号を右に曲がったところなんです」。
「知らないですねぇ」。
「曲がって2軒目か3軒目らしいですわ」。
「う~ん、××商店がある通りですよね?」。
「そうです。それがですね、新しいラーメン屋の店主、以前、ミシュランに載ったラーメンをプロデュースした人らしいです」。
「ほぉ」。
沈黙。

「Nさん、今日は何を釣ろうとしてるんですか?鳴門の時と同様、真鯛ですか?」。
「できれば真鯛を釣りたいですね」。
沈黙。

明石海峡大橋を渡り、淡路島に入る。
それにしても眠い。
話を振っている俺が言うのも何だが、話しながら「どうでもええわぁ」。
そう思うたびに、意識を失いそうになる。

4時50分。

目を開けると、車は28号線を走っていた。
「Nさん、適当なところでコンビニに寄ってくれませんか?」。
もう一度、缶コーヒーを飲んで眠気を覚ましたい。
由良に着く前にコンディションを整えたい。
すぐロードに乗れるように。

つづく

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