(134)サコッシュを引っ提げて走る。鳴門徳島サイクリングロード-3

鳴門徳島サイクリングロードのスタート地点は、鳴門駅の北東にある。
俺は、とりあえず鳴門駅を目指して20分ほど走ったが、サコッシュが邪魔で走りに集中できない。

走っているうちに、サコッシュがずり落ち、クランクを回す左足の太ももに接触する。
その都度、サコッシュを背中に寄せ、走りの邪魔にならないよう試みたが、しばらくすると、またずり落ちる。

信号待ちをしながら、打開策を考えた。
「そもそも、ストラップが長いからあかんのちゃうか。短くして、背中に固定できるようにしたらどうやろ?」
俺のサコッシュは、ショルダーバッグと似たような形をした、ただの布。
ストラップの長さを調整できるような物ではない。
とりあえず、胸の前でストラップを括り、体と固定してみる。
少しはマシになったが、しばらくすると、また左太ももと接触して、不快感を覚える。
「我慢するしかないか」。
俺は諦めた。

鳴門駅から東に進む。
初めて走る地域だ。
青空の下、山が見える。
お、目を凝らして見てみると、山の上に天守閣らしき建物があるではないか(後で調べたところ、撫養城というお城らしい)。
城好きの俺としては、テンション上がりまくり。
サコッシュなど、最早どうでもよくなった。

「コースを変更して、まずは城に寄ろうか?」
「いや、念のため、帰りにしよう。時間に余裕があったら、寄ればいいだろう」
「いやいや、やめとけ。あの城、山の上やぞ。登りやぞ」
俺の中で3つの意見が出たが、3つ目を採用した。
俺は、城は好きやけど、登りが大嫌い。

撫養城は見なかったことにして、先に進むと海岸に出た。
信号も無ければ、車もほぼ走らない道。
「走りやすそうやん!」と、俺は気勢を上げてペダルを踏んだ。

が、やはり気になる。
邪魔だ。
破り捨てたいぐらい(まぁ、そういうわけにもいかないが)、サコッシュが邪魔だ。
リュックの方がよっぽどいい。
リュックは、コンビニに寄るたびにファスナーの開閉をして、物の出し入れをするのが鬱陶しかったが、走りの妨害はしなかった。
サコッシュは、妨害しまくってくれている。
害悪でしかない。
俺は我慢に我慢を重ねながら、クランクを回した。

左手に海、右手に田畑。
永遠にそんな景色が続くかと思ったが、サイクリングロードの中で、耐震工事をしている箇所があり(ゴールまで3箇所あった)、迂回路を走ることもあった。
「うわぁ、ここの迂回路、登りやん。最悪やわぁ…」と、俺は肩を落としたが、前に進むしかないのだ。

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