(616)千博屋の唐揚げ弁当を目的とした淡路島ライド~洲本~

12時46分。

緩やかな登りを終え、ハンドルを握る右手をフロントライトに伸ばす。
続けてサドルの下にも伸ばし、テールライトを点灯。
やがてトンネルに入り、「もともと普通に明るいやんけ」。
ライトの意味をあまり感じなかった。

12時52分。

右手に洲本川。
数本の橋を横切り、ふと思い出した。
以前、この川沿いの道でルートを間違った経験がある。
同じ轍を踏むわけにはいかない。
「Google Map、確認しとかなあかんわ」。
足を止めてスマートフォンを見つめ、ふむふむと頷いていると、真横を通り過ぎるロード乗り。
一瞬見えた、白のフレーム。
「あ、さっきの立ちションの奴や」。

12時56分。

「おー、人が歩いてるで!視界の中に10人はおる!」。
車道の端を走っていると、町並みが変わったことを実感。
信号が増え、建物も増えた。
「多分、この辺りが淡路島で一番アツいスポットなんやろな」。

ポタリング感覚で、町並みを目で楽しみながら脚を回していると、左手にレンガ造りの建物。
かつては工場だったのか?
歴史の重みを覚えた…が、「海鮮丼」ののぼり旗が目に入り、「雰囲気、ぶち壊してへんか?」。

足を止めて建物を凝視する。
「なるほど。この中、飲食店と土産物屋が入ってるみたいやな」。
千博屋の唐揚げ弁当を食い、腹は満たされているため、飲食店に入る気にはなれない。
ただ、土産物には興味がある。
まぁ、土産物というよりも「地ビール」には興味がある。

Nさん(50代 男性 釣りが趣味)との待ち合わせ時間には、まだ余裕がある。
土産物屋で地ビールと玉ねぎチップスを買い、地べたに座ってがぶ飲みしたい。
しかし、この先、由良港までコースには崖っぷちもある。
酔っ払ってはいけない。
下手すれば死ぬ。
なら、その場で飲まず持って帰ればいい。
バッグにはビール瓶を3本程度収納する余裕はある。
ただ、重たいのは嫌。
荷物になるのは嫌。
「うん」。
悩んだ末、俺はレンガ造りの建物を横切った。
「結局、悩んでるだけで行動に移されへん奴は、何もでけへんねんなぁ」と、自分自身に矢印を向けながら。

13時3分。

久々に賑わいを感じた洲本の町を通り過ぎ、温泉街へ進む。
Nさんが俺を待つ(釣りをしながら)、由良港まで一本道だ。
もう、道に迷う可能性は低い(と言うか、迷いようがない)。
少し気持ちが楽になり、Nさんのことを考える。
確か、俺がロードに乗って出発する前の時点で、3匹釣っていた(1匹は顔見知りにもらったらしいが)。
「まぁ、真鯛は無理でも、何か適当な魚、10匹ぐらいは釣れてるやろ」。

後ほど、Nさんに「どうでしたか?トータルで何匹釣りました?」。
そう尋ねたところ、「3」と。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする