(629)ロードバイクと共に三重県へ行こう~特急ひのとり~

銀河鉄道999の影響だと思う。
子供の頃の俺は電車が大好きだった。
学校の行事でもないのに、弁天町にあった交通科学館へ何度も足を運び、そして萌えまくった。
が、中学、高校…と成長するにつれ、電車に対する興味は薄れてしまい、いつの間にか「走る箱」ぐらいの存在に。

そんな俺の意識に少しの変化をもたらしたのが、去年の2月(だったか3月)。
この時もSさん(40代 男性 このブログを読む教養がある人)と一緒に走る約束をし、松坂駅で待ち合わた。
兵庫県に住む俺は松阪までの移動手段がわからず、ネットで調べたところ、近鉄の特急に乗って行けばよいと。
ただ、輪行に適した特急形車両がわからないため、「伊勢志摩ライナー」やら「アーバンライナー」やら、名前を聞いたことがある程度の特急について調べる。
と、「『しまかぜ』?えらい豪華やなぁ」。
俺が知らない間に、近鉄は新型車両を続々と投入していたようだ。

そして今回旅に出る数日前のこと。
「津へは、どの特急を選択するか?」を考えながら近鉄のネット予約サイトに目を通すと、「『特急ひのとり』って何や?」。
調べてみる。
どうも、数百円の特別料金が発生する豪華な特急列車らしい。
しかも、デビューは3月14日。
「先週の日曜から走り出したということは、最新鋭やな」。
というわけで、特急ひのとりに乗ることは、今回の旅行における楽しみのひとつとなった。

念願の特急ひのとりに乗り込む。
気持ちとしては、車内の豪華な設備を確認したいところだが、まずは輪行バッグを座席の後ろに置いて身軽になりたい。
当然、大型の荷物が置けるように最後列の座席を予約している。
が、想定していた位置にキャリーバッグがひとつ…。
「うっわ。先客がおったわ」。
最後列の乗客、初老の男性(以下 乗客A)に声を掛け、キャリーバッグを奥に詰めていいか確認を取る。
「はい、どうぞ」。
無事に輪行バッグを置き終え、また乗客Aに「すみません」と言って前を通してもらい、俺は予約した窓際の席に座った。

ほっと一息ついた時、特急は難波駅を発車。
「今から津までの1時間22分、旅行気分を満喫しようか」と思い、バックパックからおにぎりを出そうとしたが、「いや、その前にトイレへ行っておこう」。
席を立ち、隣に座る乗客Aに「あの、すみません」。
お菓子を置いたトレイを引っ込めてもらい、前を通してもらう。
トイレから帰り、席に戻ろうと「すみません」。
乗客Aにトレイを引っ込めてもらい、前を通してもらう。

「さてと」。
バックパックから取り出したおにぎりを頬張ろう…としたタイミングで気付いた。
「やばい。水、あれへんわ」。
俺は水無しでは食事ができない。
何か不安になる。
「仕方無いなぁ。車内のどこかに自販機があるやろう」。
「水、買いに行こうかぁ」。
安易にそう考えたが、ダメだ。
通路側に座る乗客Aに、連発で「すみません」と言い、前を通してもらうのは気が引ける。
それに、乗客Aはリクライニングを倒し、気持ち良さそうにヘッドフォンで音楽を聴いているではないか。
「彼が持つ、旅を満喫する権利を侵すことはできない」と自分に言い聞かせ、おにぎりをバックパックに戻した。

つづく

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