(630)ロードバイクと共に三重県へ行こう~津駅西口~

特急ひのとりが難波駅を発車した後、俺はぼんやりと車窓の外を覗いた。
「あぁ、暇や…」。
津までの1時間22分を退屈に過ごすしかないのか。
それは回避したい。

「あ、そうや。Sさん(40代 男性 このブログを読む知的な人)にメールしとこか」。
一応、予定通りの特急に乗り、予定通りの時間に待ち合わせ場所、津駅に着く旨、伝えておいた方がいいかと思う。
スマートフォンを手に取りメッセージアプリを開く。
と、Sさんからメールが入っていた。
「気付けへんかったわ。ほんで、何々?『こちらは既に津駅に着きました。早く来すぎましたわ』と」。
「ほんま、早すぎるやろ!」。
メールの受信時間を確認したところ、俺が津駅へ向かう特急に乗る前に、Sさんは津駅に着いたようだ。

待ち合わせの時間より1時間半も早く着いたSさん。
「ひとりで暇やろなぁ」と思う。
同情する。
俺としては、なるべく早く津に到着したい。
が、俺の都合で特急の停車駅が急に減るわけでもない。
俺にはどうすることもできない。
「Sさん…。待ってる間、めちゃめちゃ退屈やろけど、ひとりでこっくりさんでもして時間を潰しておいてくれ…」。

また窓の外に目を向け、そして考える。
「Sさんが早く着いたのは、多分、意図があってのことやろなぁ」。
予定では、津駅の西口で会ってから、まずは津城に向かう(完全に俺の趣味)。
で、Sさんは心遣いのできる人だ。
先に津駅から津城へのルートを下見し、後で俺を案内しようと考えているのだろう。
以前、松阪城や田丸城へ行った際も、Sさんは先に下見をしてくれた。
「うん。下見のために敢えて早く着いたんかぁ」。
「Sさんらしい配慮やな」。

自然に感謝の気持ちが芽生えた…と同時に「なんか眠たなってきたわ…」。
またスマホを手に取り、アラームを設定する。
「11時22分着やから、11時10分にセットしといたらええやろ」。
ささっと操作する。
と、画面下部に「アラームは27分後に設定されました」の表示。
「え、27分後…?」。
眠るには短い時間だが、ぼけっとするには長い時間だ。
しばらく悩んだ結果、少しでも眠ることで体を休めた方がいいと判断。
リフレッシュして、この後のサイクリングに臨めるだろう。

「気だるいわぁ…」。
輪行バッグを担ぎ、津駅西口の階段を降りる。
「はぁ、しんど…」。
目を細めて、辺りを見回す。
Sさんがいた。
「お疲れ様です」。
「お疲れ様です…」。
「何か疲れてますね?」。
「はぁ、中途半端に寝たせいで、余計に疲れたというか…」。

つづく

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