(631)ロードバイクと共に三重県へ行こう~異音~

津駅西口。
上下逆さまにしたフレームにホイールをはめながら、Sさん(40代 男性 この不人気ブログの読者)と世間話をする。
彼と会うのは、去年の夏にビワイチを走って以来。
半年ぶりとなる。
それほど懐かしい気にはならなかったが、馴染みの無い土地で知っている人が一緒にいてくれると心強い。

リアホイールをはめた後、バックパックを背負い、準備はできた。
「行きましょか」。
この日はホテルを予約している伊勢まで走るのだが、その前に津城へ向かう。
「はい、行きましょう。津城へは歩道をメインに走った方がいいです」とSさん。
ゆっくりとクランクを回し、前を行く彼の背中を見る。
「やっぱり、津城までのルートを下見してくれてたんやなぁ」と思いながら。

「歩道は気が滅入るわぁ」。
路面からの突き上げに不快感を覚える。
ただ、車道はそれなりの交通量なので、もっと走りにくそうだ。
「まぁ、そんなに距離は無いやろから、少しの間は我慢やな」と自分に言い聞かせ、ゆっくりと脚を動かす。
おそらく、時速は20㎞/hも出ていなかったと思う。

信号待ちの際、「町中は走りにくいですね」とSさんに声を掛けると、「役所関係の施設が多いから、そこに出入りする車も多いんじゃないですかね」と。
「はっ!そうか!」。
津市が三重県の県庁所在地であることを思い出した。
これぞ、義務教育の賜物。

信号が青になり、また走り始めると、フロントフォークからカタカタカタ…。
「何の音や?」。
脚を止め、原因を探る(俺に気付かないSさんは先に進み、視界から消えた)。
トップチューブに股がり、前のめりになって確認してみると、フロントフォークに取り付けたサイコンのセンサーの位置がおかしい。
「これが原因か」。
ホイールが回るたびにセンサーとスポークが接触し、異音が鳴っていたようだ。

センサーの位置を戻し、ハンドルを握る。
「Sさんを追い掛けなあかんな」。
100mほど進み、ふとサイコンに目をやると「0㎞/h」。
考えるに、少し前に段差を越えた際、その衝撃でまたセンサーがずれたのだろう。
再度、センサーの位置を戻し、Sさんの背中を追う。

と、Sさんが見えた。
俺を待っていてくれている。
「ちょっとですね、サイコンの具合が悪くて」とか何とか言った後、また彼の後ろに付いてクランクを回す。
「それにしてもなぁ…」。
「おかしいよなぁ…」。
何故、センサーの位置が頻繁にずれるのか不思議だ。
「多分やけど、輪行の際に俺の体が触れておかしくなったんやろ」と思ったが、後になって原因を究明したところ、初歩的なミスであることが判明した。
センサーをフロントフォークに取り付けるナイロンタイの裏表(ギザギザな面とツルッとした面)が逆になっていたのだ。
「そら、固定できひんわ」。
買ったばかりのサイコンなので、この日まで自分のアホさ加減に気付く機会が無かったが、この日はしっかりと自覚した。

Sさんが振り返り、「着きましたよ」。
津城の入口。
「はい」。
石垣と桜が見えた。

つづく

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