(640)ロードバイクと共に三重県へ行こう~助け合いの精神~

伊勢湾を眺めながら走り始める。
道案内をしてくれるSさん(40代 男性 この不人気ブログを読むおおらかな人)が前を進み、俺は後に続く、いつも通りのフォーメーション。
クランクを回すたびに耳元で風の音が聞こえ、「自然と一体になったボク」などとうっとりしていると、ブー…、ブルルル…ブーン…ブーン…。
遠くの方からエンジン音が鳴り響いた。

「何や?」。
前方に飛行する物体あり。
「あー」とSさん。
「パラグライダー軍団がいますねぇ」。
確かにパラグライダーに乗って飛び回る、数人のグループがいた。
ただ、「軍団」ではない。

シャカシャカとクランクを回すと、パラグライダー軍団に近付いた。
見る限り、飛行時間は短そうだが、それでも「めちゃめちゃ楽しそうやんけ!」。
俺も欲しい。
俺も飛んでみたい。
もし、パラグライダーで通勤が出来たら…毎日がどれだけ楽しいか。
しばらく空想にふけていると、「あ、忘れてたわ」。
俺は高いところがあまり好きではない。

手をブラケットから下ハンに握り変える。
向かい風がきつくなってきた。
なるべく風を受けないように体を丸め、脚に集中。
走る。
走る。
が、気になる景色が視界に入ると、脚を止めて写真を撮影。
「こんなこと繰り返してるから、進めへんねんなぁ」。

Sさんとの距離は100mぐらいだろうか。
微かに見える彼の背中を追い掛け、なんとか合流…したが、また脚を止めて写真を撮っていると、分断。
一緒に走った時はいつもこんな感じで、近付いたり離れたり。
で、完全に追い付けなくなると、Sさんに待ってもらう。
足を引っ張るのは、常に俺だ。

それにしても向かい風がきつい。
おかげで、クランクが重い。
脚を回す感覚が登りのように感じられる。
サイコンを確認しても、お話にならない速度。
何とかSさんに追い付き、そして後ろに後ろに張り付く。
「ナイス、風除け!」。

普段ひとりで走ることが多い俺は、グループライドの経験が乏しいため、ローテーションという概念が欠落していた。
「そうや。Sさんが前を走ってるんやから、それを十分に活かさなあかんわ」。
「風除けになってもらって、空気抵抗を分散してもらわな」。
Sさんの後方1m~2mをキープ。
気のせいか、脚が少し楽に。

先頭交代はせずに、海沿いの道をただひたすら脚を回し突き進む…と、ここまで書いて、ふと思った。
この時のライドにおいて、いや、それまでもか。
俺は一度も前を走っていないのではないか?
人に助けられる精神は十分にあるが、助ける精神は完全に欠落しているのではないか?
今回の記事はここまでにして、今からひとり反省会を開きたいと思う。

つづく                                      

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