(642)ロードバイクと共に三重県へ行こう~3つの不安~

津市からスタートし、ゴールは伊勢市(で予約しているホテル)。
今回の旅に出る前、「国道を走った場合は45㎞ぐらいですよ」とSさん(40代 男性 三重県在住の同行者)から聞いていた。
俺としては、「走りにくい国道は、なるべく回避して下さいね」とリクエストし、「わかりました。トータルで50㎞ぐらいになりますよ」。

古びた田舎の住宅街を進んでいる間、サイコンの積算距離を何度も確認する。
数回前の記事にも書いたが、俺にはルートがわからない。
また、三重県の地理に疎いため、ゴールにどれだけ近付いているのか把握できない。
と言うわけで、頼みの綱はサイコン。
積算距離が50㎞に向けてカウントアップされるのを見守りながらクランクを回し続ける。

「もう、50㎞近いけど、まだ着けへんのか?」。
辺りを見渡すと田畑。
ぽつぽつと民家。
とても伊勢市の市街地にはみえない。
前を走るSさんにとっては、今まで何度も走ったルートだろう。
気持ちに余裕を持っていると思う。
が、俺には不安しか無い。
「あと何㎞走るんやろ?」。
ゴールが見えない中を、ただただ突き進んでいる。

不安は他にもある。
まず、神宮球場のヤクルトvs阪神戦。
先ほど経過を確認した際は、6-0で阪神がリードしていた。
「大丈夫か?このまま逃げ切ってくれるか…?」。
俺は阪神ファンだが、阪神をいまいち信用できない。

そして、もうひとつの不安。
空を見上げる。
灰色の雲。
嫌な予感しかしない。
「おいおい、ここまで来て雨かよ…」。
荷物になるため、衣類の用意は最小限だ。
雨に打たれて濡れたくない。
また、路面が濡れてスリップするのが怖い。
走りにくい環境を、俺は歓迎しない。

「本当にやめてね。降らないでね。お願い」。
心の中で雲に語りかけつつ、Sさんの後に付いて進む。
と、俺の望みは思い切り裏切られた。
ポツ…。
降ってきた。
「まだまだ大丈夫。こんなもん、小雨とええところやわ」。
ポツ…ポツ…ポツ…。
「ヤバなってきたな…」。

前回、伊勢を訪れた時も雨に打たれた。
「あぁ、今回もか…」。
がっくりした後、顔を前に向ける。
何となく、どこかで見たような川を視界に捉える。
「もしかして、前に渡った川か?市街地に入る手前の」。

Sさんが脚を止め、振り返った。
「この川は前も渡った川です。今、橋が見えますよね?ほら、あそこ」。
「はい」。
「今見える橋は渡りにくいので(交通量のせい?何か説明されたが忘れた)、そのひとつ向こうにある橋を渡りましょう」。
「はい」。

やっと伊勢の市街地に入るのだ。
おそらく、予約しているホテルは近いはず。
ゴールが近いはず。
そう信じたい。

つづく

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