(649)ロードバイクと共に三重県へ行こう~伊勢から生まれた名投手~

伊勢市に着いた夜のこと。
Sさん(40代 男性 三重県在住 このブログを読む知性あふれる人)と酒を飲み、「次はラーメン屋に行きましょか」。
人通りの少ない駅前を歩く。
 「この商店街を通って行きましょう」とSさん。
俺は直感的に理解した。
「あぁ、噂の商店街ね」。
去年、彼とこの辺りを走った際、「寂れた商店街があるんですよ」と聞いていたのだ。
どれだけハイレベルな寂れ具合なのだろう。
ゴーストタウンのようなものをイメージし、いやが上にも期待が膨らむ。

入口まで進み、「あら?けっこう明るいな」。
少し拍子抜けしたが、ぱっと見た感じ、シャッターの閉まった店舗が多いので、賑やかとも思えない。
「『明倫商店街』かぁ。ほぅ、『澤村栄治生誕の地』とは、これはむしろ熱いな」。

澤村栄治は、プロ野球創世記の大エース。
巨人の選手だが、阪神ファンの俺でも知っている。
全日本の投手としてメジャーリーグ選抜を相手に投げ、メジャーリーガーからも評価された男。
もはや伝説の領域である。

入口付近以外はほぼシャッター…の商店街を進むと、大きなパネルが目に付いた。
「伊勢から生まれた名投手」とある。
興味深い。
「左は澤村…と、あら?右に阪神のユニフォーム着てる人おるな。大山(今の阪神の主力選手)か?」。

「この細い目は…。うん、大山やな」。
「大山、何でこんなところにおるねん?」。
酔ったせいで大山に見えた人物、実は西村幸生だった。
彼も戦前の選手。
「阪神タイガースの歴史」といった本やサイトに必ず載っている、阪神のエース。
酒飲みだったらしい。

澤村と西村。
戦前の有名選手が同郷とは意外だった。
また、ふとりとも戦争で亡くなっているのは物悲しい。

カチャカチャ…カチャカチャ…。
狭い商店街を歩く。
右はシャッター。
左もシャッター。
スマートフォンで時間を確認すると、まだ20時過ぎだ。
文化の違いを感じる。
が、よく考えてみると、うちの近くの商店街も、最近は20時を過ぎれば薄暗い。
コロナのせいで。

カチャカチャ…カチャカチャ…。
シャッターだらけの商店街を抜け、Sさんの後について歩いていると、「おかしいよな」。
違和感を覚える。
「今、向かってる方向は、俺が泊まるホテルに向けて…ちゃうか?」。
「ラーメン屋に行くはずやのに、Sさん、酔っ払ってラーメン屋のこと忘れたんかな?」。
まぁ、飲んだ後はよくあること。
ラーメンはあきらめて、今夜はぐっすり眠りましょう。

つづく

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