(652)ロードバイクと共に三重県へ行こう~伊勢の名物を教えてもらったが~

輪行バッグを担ぎ上げ、部屋を出る。
先ほど、Sさん(40代 男性 三重県在住 同行者)から、「そちらに移動中です」とメールが入った。

3月28日(日)。
この日の予定は、朝の10時にSさんと待ち合わせ。
彼の車に乗せてもらい、浦村の牡蠣小屋へと向かう。
そして、12時30分から牡蠣食べ放題だ。
2,000円そこらで死ぬほど牡蠣を食えるとは、なかなか熱いですね。

チェックアウトを済ませ、ホテルの玄関を出る。
曇り空を見上げながら駐車場でSさんを待っていると、「おはようございます」。
車から降りたSさんが、こちらに向かって歩いてきた。

「おはようございます。これ(ロードバイク)、車に積めますかね?」。
Sさんは車のトランクを開け、俺はロードを積んでみる。
「とりあえず積めましたね。じゃあ、出発しましょか」。
俺がそう言うと、「一応、固定しておいた方がいいですね」。
ロードと、車の天井に付いたフックを紐で縛るSさん。
「助かるわぁ」と思いつつ彼の後ろ姿を見ていると、忘れかけていた子供の頃の記憶が脳裏に現れた。

教室の掃除や理科の実験で、率先して行動するタイプの子供がいた。
俺は彼らの後ろ姿を眺めているだけで、何もしないタイプ。
積極的に動く子供をぼんやりと眺めているだけ。
そして、率先型が一仕事終えると、何もしていない俺も一仕事終えた気分になる。
この時も、俺はSさんの背中を眺めているだけで一仕事終えた気分になった。

車に乗り込み、浦村に向かう…が、どこかで時間を潰さなければならない。
まだ10時過ぎ。
牡蠣小屋へ寄り道をせずそのまま進むと、予約時間よりも早く着きずきる…という問題がある。
「どこかで時間潰さなあかんよなぁ」と思うが、俺には周辺の観光スポットがわからない。

「参ったなぁ」と思いつつも、他にも考えなければならないことがある。
それは、土産を買うかどうか…。
基本、ロードが絡む旅において、俺は土産を買わないようにしている。
荷物が増えるとライドに支障が出るからだ。
しかし、この日は旅行最終日(たったの1泊2日だが)だ。
雨が降るのでロードには乗らない。
移動は車と電車。
荷物が増えても大した影響は無い。
「サイクリングチーム(俺を含めて3人。活動実績はほぼ0)の人らに、土産でも買って帰ろか」。
そんな殊勝な気持ちになった。

ただ、それはそれで問題がある。
伊勢の名物と言えば、赤福餅…だが、メジャーすぎて難波(大阪)でも売っている。
赤福餅を買ってチームメイトに渡しても、「ほんまは難波で買ったくせに」と思われるのは嫌だ。
ならば、どうすればよいか?
他の名物を買えばいい…のだが、赤福餅以外の名物を俺は知らない。

「あ、そうや。地元の人間に聞けばええんや。今、まさに地元の人間が、俺の隣でハンドルを握っている」。
我ながらナイスアイデア。
「Sさん、この辺りの名物って、やっぱり赤福餅ですよね?赤福餅以外でも何か名物はありませんか?」。
「そうですねぇ。○○餅と××餅ってのもありますね」(○○と××の部分は忘れた)。
「どんなのですか?」。
「○○餅は、なんたらかんたらで~どうたらこうたらで~」。
ハンドルを握りながら、親切に説明してくれるSさん。
「それと、××餅は、なんたらかんたらで~どうたらこうたらで~」。
引き続き親切に説明してもらい、俺は感謝した…が、結局、何も買わず帰ることになる。
理由は特に無い。

つづく

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