(680)アワイチではないが、ロードバイクに乗って淡路島を走る~路地を進む~

9時。
76号線を北へ進み、岩屋を目指す。
距離は40㎞。
同行者であるNさん(50代 男性 趣味は釣り)との待ち合わせは、岩屋の淡路シェフガーデンに13時。
寄り道を繰り返し、40㎞を4時間で走らなければならない。
ゆっくりとゆっくりと。

「時間が潰せそうなところ、どっかあるか?」。
ぱっと頭に浮かんだのが、でかい観音像。
「世界平和大観音像」だ。
高さ100mほどの観音像で、かなり目立つ建造物。
これまで淡路島を走るたび、その姿を目にしたが、特に興味を示すこともなく前を通り過ぎた。
しかし…だ。
状況は変わった。
今月から解体工事に入るらしい。
記念に写真を撮っておきたい。

観音像で何分か何十分かの時間を潰せそうだ。
ただ、それだけでは足らない。
他にも何か見物できるものは無いか?
観光スポットにこだわる気は無い。
そこで、ふと思ったのが、「そこら辺の路地をうろうろするんもええんちゃうか?」。
ここは大阪や神戸でもない。
自分が住んでいる地域には無い景色が淡路島にはあり、名も知らぬ小さな町をうろつくのもいいかも知れない。
生活感漂う、小さな町の小さな道をのんびり進むのだ。
「いいねぇ」。

俺は脚を止めた。
「ここらの路地を満喫しよか」。
家がぽつぽつと建ち、田畑が見える。
その向こうには山。
「雰囲気、ええやん」。

洲本の市街地へと向かう76号線を左に曲がり、狭い道をゆっくりと進む。
そして、考える。
「どっから来たんや?暑いやろ?まぁ、麦茶でも一杯飲んで行きいな」と地元住民から声を掛けられるかも知れない。
その時、スマートに対応するためにも、あらかじめ返しを考えておこう。
「自分は西宮から来ました。麦茶ですか?頂きます」。
普通ならこれだ。
しかし、大阪弁で返した方が親近感を持たれ、風情もあるだろう。
「西宮から来ましてん。麦茶?あぁ、よばれますわ」。
とりあえず、こんなところか。

軽くクランクを回しつつ、辺りを見回す。
歩いている人など、誰ひとりいない。
「もうちょっと先に進めば、何か展開があるだろう」と思ったが、100mほど進んだところで舗装路が途切れ、畑に囲まれた畦道(あぜみち)。
サドルを降りて、考える。
この先、ハンドルを押しながら歩くか、ロードバイクが湿った土で汚れないよう担ぎながら歩くべきか。
結論は、「面倒くさいわ。引き返そ」。

76号線に戻り、岩屋を目指す。
距離は40㎞。

つづく

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