(686)アワイチではないが、ロードバイクに乗って淡路島を走る~28号線を北へ進むと~

岩屋を目指して28号線を北に進む。
と、前方にうどん屋。
先ほど水を飲みまくったため、俺の腹は膨れている。
また、この後、Nさん(50代 男性 趣味は釣り)とラーメンを食う予定があるため、「うどん食おうかぁ」という気分にはならない。
しかし…だ。
気になる。
「淡路島のうどんって、どんなんやろ?」。
大阪にも香川にも近い淡路島のうどんは、大阪風のうどんなのか?
いや、讃岐うどん?
それとも、讃岐うどんのコシが強い麺に、大阪の出汁…といったMIXなのか?
脚を回しながらしばらく考えたが、「まぁ、どうでもええわ」。

顔を上げて視線を前に向ける。
「あぁ、トンネルあるやんけ」。
何度も走ったコースだが、忘れていた。
淡路島にはトンネルがあるのだ。
左足を地面に着け、上半身を捻ってテールライトに手を伸ばす。
手探りで、ONらしきボタンを何となく2秒ほど押し、次にフロントライトも点灯。
トンネルに入る。

薄暗い…と言うよりも、深い闇。
フロントライトが用を成さない。
「何や?このトンネル、呪われてるんか?」。
「前、見えへんやんけ」。
独り言をつぶやきつつクランクを回していると、「あ、これのせいか」。
アイウェアを掛けたままだった。
前にも同じことがあったような…。

また強い日差しを浴びながら走る。
Nさんとの待ち合わせ場所、岩屋まではそう遠くない。
サイコンに目をやり、時間を確認。
そして、何度目だろう。
「あかんわ…。このペースやと、待ち合わせ時間よりも早く着きすぎるわ…」。
遅刻はしたくないが、早すぎるのは嫌だ。
どこかで時間を潰したい…が、特に無い。
「どうしょう…?」と思った時、視界の右端に赤い建物を捉えた。

脚を止めて、顔を右に向ける。
少し遠くに朱色の宝塔。
「あれは何や?」。
凝視する。
「こんなところに、あんな目立つお寺、あったか?」。
違和感を覚える。
これまで28号線を走ったことは何度もある。
ただ、朱色の宝塔を見たのは初めてだ。

「最近できたんやろか?」。
考える。
「いや、前からあったかも知れん」。
「あんな目立つ宝塔が前からあったら、何年も前、初めてこの道を走った時に気付いてたやろ?」。
「違うねん。気付いてないねん。気付かれへんかったんや」。
「どういうことや?」。
「この辺りを走る時って、いつも真っ暗やったやろ?」。
さすが、俺。
素晴らしい洞察力。
言われてみれば、その通りだ。

まだクロスバイクに乗っていた10年ほど前、始めて淡路島を訪れた時だ。
夕方にスタートしたため、この辺りは既に薄暗かった。
朱色の宝塔は確認できなかっただろう。
また、ここ数年、Nさんの車で淡路島を訪れた際も同様。
毎回毎回、朝の3時や4時に淡路SAで車を降り、真っ暗な28号線を走る。
当然、朱色の宝塔は確認できなかったのだろう。
なるほど。

少し頷いた後、「まぁ、そんなもんどうでもええわ」と思う。
「とりあえず、寄ってみよか」。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする