(687)アワイチではないが、ロードバイクに乗って淡路島を走る~蓮台山 八浄寺でのひととき~

28号線を逸れ、朱色の宝塔へ向かう。
田畑と民家に囲まれた田舎道を少し進むと、すぐに鳥居の前へと出た。
奥には山門が見える。
「このお寺、何ていうお寺やろ?」。
山門には、「山岩蓬」とある。
「そんな名前のお寺、あるか?」。
「達筆すぎて読まれへんわ」。
ひとり考え込む。
ちなみに、家に帰ってからネットで調べたところ、「蓮台山 八浄寺」という名前のお寺だった。

「ロードバイク、どっかにロックしたいけど…」。
辺りをキョロキョロしたが、手頃な木やフェンスは無い。
ロードを押したまま山門をくぐり、境内に入っていいものか悩む。
と、境内からこちらに向かって歩くおっちゃん。
「この人に聞いてみよ」と思ったが、お寺の人ではなさそうだ。
また、うつむいて歩くおっちゃんからは、話し掛けにくいオーラを感じてしまい、俺は口をつぐんだ。

ハンドルを軽く握り、山門へ進む。
道の脇には、「淡路島七福神霊場」ののぼり旗。
「ほぉ。淡路島と七福神って、縁があるんか」。
トップチューブを肩に担ぎ、山門をくぐる。

入って右手に受付。
誰もいない。
「自転車で境内に入っていいですかね?」と聞こうにも聞けない。
「まぁ、ええか」。
ロードを地面に置き、またハンドルを押して境内を歩く。

間近で見る宝塔は大きく、美しく、存在感抜群。
大黒天をお祀りしているらしい。
「こんな見応えあるお寺が、淡路島にあるとはなぁ」。
そう思いながら見とれていると、背中に振動を感じた。
「何や?」。
ジャージのバックポケットからスマートファンを取り出すと、ショートメールが1通。
「佐川急便よりお荷物のお届けに上がりましたが…」とあり、続けて胡散臭いURL。
「そういうの、いらんから」。
削除。

スマホをバックポケットにしまい、再度、宝塔に視線を向ける。
と、また背中に振動。
「ニセ佐川、2回目か?」。
画面を確認すると、よく利用しているクリーニング屋からのLine。
クーポンが配布されたらしい。
「どうでもええわ」と思いつつ、スマホをバックポケットにしまおうとしたが、「今、何時やろ?」。
時刻を確認。
「もう11時半か。まぁまぁ時間を潰せたな」。

岩屋の淡路シェフガーデンで、Nさん(50代 男性 趣味は釣り)と13時に待ち合わせをしている。
「そろそろ行こかぁ」。
トップチューブを右肩に乗せ、右手を添えて山門を出た。

つづく

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