(697)ロードバイクに乗って、和歌山1泊2日の旅~残念さんと大阪の写真~

「ホルモン買って、缶ビール飲みたいなぁ」。
尼崎の街並みを横目に走っていると、そんな気分になる。
「『かごもと』のホルモン、食いたいわぁ」。
「蒸し暑いし、缶ビールもたまらんやろやぁ」。
ウズウズする。
が、駄目だ。
自制心が働く。
和歌山まで80㎞のライド。
まだ5㎞も走っていない。
先は長い。
酒は和歌山に着いてからだ。

庄下川を渡り、また下町が続く。
道路の脇には店舗。
路地を入って少し進むと、工場があるだろう。
きっと。

「そう言えば、『残念さん』ってこの辺りちゃうかな?」。
ふと思い出した。
尼崎の杭瀬には、「残念さんの墓」がある。
幕末、山本文之助という長州藩士がいた。
禁門の変で破れ、長州は敗走。
山本文之助は尼崎藩に捕らえられ、取り調べ中に自決。
その際、「残念、残念」と叫んだ。
死後、彼の墓が杭瀬に立てられ、参詣するとひとつだけ願い事を叶えてくれるらしい。

「OK!是非、願い事を叶えてもらいたいぜ!」。
以前からそう思っていたが、「ひとつだけ」という点が難しい。
「このクソブログを人気ブログにして下さい」。
「一生、タダで焼肉食えるようにして下さい」。
「阪神を優勝させて下さい」。
「日焼けして腕が悲惨です。剥けた皮のカスを早く何とかして下さい」。
ひとつに絞れない。
と言うわけで、この日も残念さんには寄らず、2号線を東へ進んだ。

大阪市に入る。
少し行くと淀川という大きな川があり、淀川大橋という長い橋がある。
まぁ、やたらと長いが道端が狭いため、車道を走るのは少し怖い。
橋の手前から歩道に上がり、ママチャリに乗ったおばちゃんや兄ちゃん、姉ちゃんと同じ速度で走る。
と、暴走する自転車乗りがひとり。
「危ないよなぁ」。
彼はデリバリーバッグを担いでおり、そこには「Uber Eats」の文字があった。

ゆっくりとクランクを回し、ゆっくりと走る。
淀川大橋をゆっくりと進み、そして途中で脚を止め、ジャージのバックポケットからスマートフォンを取り出す。
写真を撮りたい。
ここから見える景色は、川があり、その周りには緑がある。
遠くには高層ビルが建ち並び、埋もれるように下町がある。
大阪で生まれ育った俺にとって、大阪を凝縮した景色のように思える…わけだが、何枚か写真を撮って確認したところ、「しょっぼ」。
俺は写真を撮るセンスが無い。
写真は、すぐにゴミ箱行きとなった。

つづく

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする