(698)ロードバイクに乗って、和歌山1泊2日の旅~御堂筋を回避して難波へ進む~

大阪市内はごちゃごちゃしているが、基本、碁盤の目状に大通りがあり、それさえ知っていればシンプルな街並みに思える。
南北に伸びる道路は「筋」。
東西に伸びる道路は「通」。
筋と通を駆使して大阪市を抜け出し、和歌山を目指す。

「とりあえず、2号線をこのまま進んでから、御堂筋を南へ走って難波に出よか」。
「難波から和歌山までは一本道やしな」。
クランクを回し、御堂筋に向かう。
が、「ちょっと待てよ」。
脚を止める。
「あの道だけはあかんわ」。

数年前のことだ。
この日と同じように和歌山に向けて走り、大阪市内を抜ける際、途中まで御堂筋を選択。
大阪のメインストリートだけあって、交通量も多く、歩道にはたくさんの人たちが行き交っていた。
まぁ、それはいい。
市内のど真ん中を走るため、交通量の多さは最初から覚悟していたし、歩道に歩行者が何人いようが、車道を走る俺には関係無い。
そう考えていた。
が、旅を終え、旅について記事を書いている時に気付いた。
「記事に貼り付ける写真、人と車、めっちゃ写ってるやんけ…」。
ナンバープレートと人の顔にボカシを入れる作業が、死ぬほど面倒くさい。
「だっる…」。

同じ轍は踏まない。
御堂筋はパスだ。
少し引き返し、中央大通りを目指す。
そこから、なにわ筋、千日前通りを経由すれば難波に着く。
「余裕、余裕」。
この辺りの土地勘は完璧だ。
俺にとって、生まれ育った町とその界隈。
道を間違う可能性は微塵も無い。
クランクを回す。

道を間違えた…と言うのは冗談で、脳内のマップに従って進み、止まり、進み、止まり…。
「またかよ…」。
「おいおい、長いねん」。
信号待ちの間、ムカムカしてきた。
ここは大阪市内だ。
信号が多いのはわかる。
ただ、信号待ちの時間が長すぎるため、かなりの不快感を覚える。
「おちょくってんのか?」。
「どういうことやねん?」。
と、「やっと青になったわ」。
ゆっくりと脚を回す。
少し進んで、「おい!」。
「またかよ…」。
「おいおいおいおい、長いねん」。

難波に着いた。
ここから26号線を南へ進み、和歌山を目指す。
交通量の多い区間、信号の多い区間、路面がガタガタで走りにくい区間…が俺を待っている。
「さぁ、行こかぁ」。
仕事でも何でも無い、1円の得にもならないことと向き合う覚悟をした上で、俺は左足をビンディングペダルに乗せた。
カチッ。

つづく

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