(706)ロードバイクに乗って、和歌山1泊2日の旅~孝子峠に入る~

家からスタートし、70㎞ほど走った。
間も無く和歌山だ。
その前に、最後の難関…と言うほどハードでもないが、孝子峠を目指す。

孝子峠。
今まで何度か登ったが、大阪側から進むと傾斜のきつい区間が最後にあり、それまでは平坦に近い緩やかすぎる登りが続く。
まぁ、雨さえ降らなければ何とかなるだろう。

峠に入る最後のコンビニで水を買い、少し休憩。
ぼけっとしていると、体が俺に訴え掛けてきた。
「早く飲みたいわ。缶ビールか缶チューハイ、早く飲みたいわ」。
そう、とにかく飲みたい。
正直、暑さのせいか疲労のせいか食欲は無いので、飲むだけでいい。
飲みたい。
ただ、和歌山に着いたら、「せっかくやし」と和歌山らしいものも食べておきたい。
「何を食おうか?」。
ああでもないこうでもない…と考えているうちに、「考えるよりも、まずは和歌山に着こうや」。
サドルに跨がる。

ポツ…………ポツ…………だった雨が、突然ポツポツポツになったわけではないが、ポツ…ポツ…ぐらいにはなった。
路面が少しずつ湿り、そして少しずつテカって見える。
「とっても嫌な展開…」。
うなだれる俺。

繰り返すが、孝子峠は大した峠ではない。
経験上、さほど苦労せず登り切れるだろう。
しかし、俺が懸念しているのは下り。
ブレーキが効きにくい濡れた路面を下るのは怖い。
「嫌な予感しかせえへんよなぁ…」。
テンションが下がるところまで下がったことを自覚しつつ、クランクを回す。

アイウェアに雨が当たり、そして滴が残り、視界が悪い。
グローブ(手の甲)で拭きながら少し進むと、またアイウェアに雨が…、グローブで…。
「面倒くさっ」。
「ワイパー付きのアイウェアがあったらええのになぁ」。
しばらく走り、遅れて笑いが込み上げてきた。
ワイパー付きのアイウェアを掛けて走る自分を想像して。
まぁ、今考えると、全然おもしろなくないんですけどね。

さて、登っている感覚は無いが、緩やかすぎる傾斜を進み、間も無く南海の孝子駅にたどり着く。
山の中に佇む、秘境駅の一歩手前レベル。
とてもちっぽけな駅。
駅前には、小さな集落。
仮に、そこに住む人々が毎日利用したとして、採算が取れるのだろうか?
そんな不思議な駅。

「孝子駅に着いたら、念のためにちょっと休憩しよか」。
駅から先は傾斜がきつくなり、登りらしい登りになる。
その前に、少し休んでおきたい。

つづく

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