(711)ロードバイクに乗って、和歌山1泊2日の旅~ワカヤマ冨士第2ホテルの前で~

和歌山城からホテルに向かう。
この日、予約したホテルは「ワカヤマ第2冨士ホテル」。
ちなみに、「第2…ということは、第1もあるのか?」。
そう尋ねられると(誰にも尋ねられへんけど)、答えは「ある」だ。
以前も、ロードバイクに乗って和歌山を訪れた際、第1に宿泊した。
5,000円未満の料金で、標準的な設備のビジネスホテル。
朝食は無料で、ゆかりや鰹、昆布など数種類のおにぎりが食べ放題。
おかずは少ないが、おにぎりをたらふく食って、朝から幸せな気分になれた。
で、今回宿泊する第2の方も、無料の朝食バイキング(おにぎりは無い)が付く。
楽しみだ。

お城の前を通る大通りを一本中に入ると、たちまち建物が低くなり、そして騒音が消えた。
「2つ目の角を左に曲がって、橋を渡って右…か」。
脚を止め、Googleマップを確認。
歩く人も走る車も無い、まるで停止したような景色。
「どうなってんねん?」と思いながらクランクを回す。
曲がるべき角を間違え、まぁ、少し混乱したが、「ここやな」。
ホテルに着いた。

「とりあえずサンテレビを観て、風呂に入りたいわ」と思う。
ただ、その前にチェックイン。
また、チェックインの前に、ロードのホイールを外し輪行バッグに収納しなければならない。
これが本当に面倒くさい。
ある程度走った後の収納作業は、本当に気が滅入る。

溜め息を吐きつつ、辺りをキョロキョロ。
作業するスペースがどこかに無いか?
輪行バッグを広げると、それなりに幅を取る。
ホテルに出入りする人や車に迷惑を掛けず、作業できるスペースはどこかに無いか?

ホテルの玄関を正面に見て、視線を右に向けると、敷地の右端にスペースがあった。
従業員用の入口だろうか?
人の出入りが少なそうなので、「まぁ、ええか」とバックパックから輪行バッグを取り出し、地面に広げる。
ロードを上下逆さまにし、前後のホイールを外し、エンド金具を装着。
「あ~、面倒くさっ」。

輪行バッグの上にフレームを縦に置き、両サイドをホイールで挟む。
そして、ストラップでフレームとホイールを固定する…はずが、無い…。
「あら?」。
バックパックをほじくり返したが、ストラップが無い。
「どういうことや?」。
輪行バッグそのものを家に忘れているのなら納得もできるが、ストラップのみ忘れた現実。
我ながら理解できない。

「どういうプロセスでこうなったのか?」。
考える。
腕を組み、地面に寝かされたバックパックを見詰めながら考える。
ただ、考えたところで現実は変わらない。
頭を切り替えるしかない。

原因はいい。
もういいのだ。
それよりも、ストラップが無い現実と向き合い、今からどうするかが問題だ。
「そういや、近くにコンビニがあったよな」。
「ガムテープか適当な紐を買って来て、ストラップの代わりに使ったらええわ」。
と言うわけで、コンビニに向かおうとしたが、外したホイールをまたフレームに嵌めなければならない。
「アホか!?面倒くさいわ!」。

ストラップ無しで収納作業を進め、輪行バックを右肩に担ぐ。
カタカタ…カタカタ…。
フレームとホイールの当たる音が、嫌でも耳に入る。
「なるべくゆっくり。傷付けないように」と自分に言い聞かせ、玄関を入りフロントへ。
「528号室です」。
「はい」。
カードキーを受け取り、エレベーターに向かって歩く。
カタカタ…カタカタ…。
「なるべくゆっくり。傷付けないように」。
そう自分に言い聞かせながら。

つづく

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