(722)ロードバイクに乗って、和歌山1泊2日の旅~岬町から大阪市内へ向かう~

大阪府の南端、岬町から北へ進み、大阪市を目指す。
距離は約50㎞。
真横を通り過ぎる車と、ガタガタの路面に注意しながら、クソ狭い道を走るのだ。
死にたい気分になる。
「あぁ、だっる…」。

ところが、クランクを回し、ゆっくり走り始めると、「お!」。
昨日(往路)とは違い、強い向かい風を感じない。
「これで精神的、肉体的負担の20%は解消されたかな?」。
「いや、45%ぐらいやろ」。
「いやいやいや、そこまでは。30%ちゃうか?」。
脳内で議論したところ、「精神的、肉体的負担を数値化する器機も公式も無い」という理由で、「まぁ、どうでもええやんけ」という結論に至った。

岬町、淡輪、箱作…。
細かなアップダウンを繰り返し、少しずつ進む。
左手には海が見え、「景色を楽しみながら、のんびりと走るのもええなぁ」。
一瞬、そんなことを考えたが、やがて俺の横を通り過ぎる車が増え、信号が増え…。

何台も連なる車の後ろで、「あぁ…、始まったか…」。
赤信号に目をやりつつ、俺は独り言をつぶやいた。
この後の自分…、車に神経を削られ、赤信号連発で憤慨する自分を想像し、心の中心が小指の爪ほどに縮み、また爆発しそうな気もする。
「はぁ…」。
ボトルの給水口を強く噛み、無駄に強く引き上げ、水を口に流し込む。
喉が渇いているわけでもないのに。
「はぁ…」。

信号が青に変わった。
車の邪魔にならないよう、事故に繋がらないよう、車道の端ギリギリに寄る。
スリップの懸念があるため、なるべく側溝を踏まないよう注意し、また、路面の亀裂にも注意しながら脚を回す。
ガタガタの路面。
突き上げが鬱陶しい。

顔をしかめ、そして考える。
10年ほど前、ロードバイクに乗り始めた頃の俺は、しゃかりきになって走り回っていたが、渋滞や路面ガタガタなど走りにくい環境も受け入れて楽しんでいたのか?
「どうやったかなぁ?」。
思い出せない。

車の流れが止まった。
路面に左足を着き、ボトルの給水口を強く噛む。
「はぁ…」。
と、背中に振動。
「何や?」。
バックポケットに手を回し、スマートフォンを取り出して確認。
「久しぶり~。××日の日曜日、昼飲みせえへん?」。
小中学校時代の同級生、TさんからのLineだった。

つづく

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