(734)意外に良かった鳴門徳島サイクリングロード-5

川沿いの道から住宅街を抜けると、海岸に出た。
岡崎海岸というらしい(帰ってからネットで調べた)。
コロナの影響か、シーズンも終わりに入ったからなのか、人はほほ見掛けない。

海からの風を受けながら、クランクを回す。
道の右手には、何軒かの旅館。
どこの企業か分からないが、保養所もある。
「俺もどっか泊まりたいわぁ」。

と、前方にバリケード。
その脇には、立て看板。
「おいおい、通行止めか?海沿いの道はここで終わり?」。
「ここから、どう迂回して進もうか」。
悩む。

俺の土地勘が通用するのは、鳴門駅周辺のみ。
「ここらのことは分からん。しゃーないなぁ」。
立ち止まり、面倒くさいがGoogleマップで確認しよう…とした時、「あら?」。
何か引っ掛かるものを感じ、もう一度、視線を前に向ける。
バリケード、立て看板。
その先には、海沿いの道へ続く細い入口。
以前、どこかで見た景色のような…。

確かに見た。
どこかで見た。
あぁ、思い出した。
ここで見た。

ど忘れしていたようだ。
「いつか分からんけど、俺、鳴門徳島サイクリングロード、走ったことあるみたいやなぁ」。
「あ、そうや、そうや」。
記憶が甦ってくる。

数年前の俺は、今、立っている位置から、サイクリングロードの入口へ進もうとした。
が、進めなかった。
奥で工事をしているのか、おじいちゃんのガードマンが立っており、彼に止められたのだ。
確か、やたらと滑舌が悪いか、訛りの強いガードマンで、何を言っているのか理解するのが難しく、「とりあえず、進まれへん…ってことやな」と判断。
山だったか住宅街の方へ迂回したと思う。

「はいはい」。
ひとり頷いた後、また前を向く。
「で、今日は進めるんかな?」。
ガードマンは見掛けないが、バリケードと立て看板が気になる。
やはり、通行禁止のままなのか?

立て看板に目を通す。
「なになに?『サイクリングロード 入口付近停車 近隣住民の 通行の妨げに なっております サーファーは 駐車しない で下さい』と」。
「『駐車禁止』ってことは、『通行禁止』じゃない!行けるやん!」。

以前、進めなかったルートを走ることができる。
また、自分にとって新しいルートを開拓できる。
なかなか喜ばしい展開だ。

サドルに跨がる。
そして、ゆっくりとクランクを回し、バリケードと立て看板の横を通り過ぎると、海が間近に見えた。

つづく

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