(150)強風の中、明石焼きを食べる。Tさんとふたり、初めて走る明石ライド-5

猛烈な横風を受け、ふらふらしながら前に進む。
飲み友達Tさんとの明石ライド。
既に明石市に入り、海沿いの道を走っていた。
目指すは、明石駅前の繁華街。
明石焼きのお店に寄るのだ。

明石駅周辺には、何軒も明石焼きのお店がある。
明石に着いてから、「どこの店に行こうか?」と悩まないですむように、俺は、あらかじめ食べログでリストアップしてきた。
クランクを回しながら振り返り、「『いづも』というお店に向かいますよ」とTさんに伝える。

営業開始時間の少し前に着いた。
お店の前に自転車を止め、談笑。
しばらくすると、お店の入り口から店員の女性が出てきた。
それを見や否や、「僕たち、西宮市から自転車に乗って来ましてねぇ。ええ」と、店員さんに語りかけるTさん。
横にいて、「こういうの、本気でイヤ!」と思う。
めまいがしそうだ。
知らない人相手に、誰にも望まれていないのにも関わらず、無駄にコミュニケーションをとろうとする姿勢。
一緒にいて、本気で恥ずかしかった。

店員さんとの絡みも終わり、俺はTさんに話し掛けた。
どうしても伝えたいことがあったのだ。
「俺、サイクリング中は、あまりしっかりした物を食べないようにしてるんです。帰りのことも考えると、具合が悪くなるかなと思うんで」
「ふたりでお店に入ってる間に、自転車が盗難にあう可能性もあるので、俺が外で見張っておきますから、Tさんひとりで食べてきてくれますか?」
「え!?」という表情のTさん。
そして、「一緒に食べましょう!一緒に食べましょう!」の一点張り。
率直に、「この人、子供か?」と思った。
まぁ、ここまで来て「やっぱり明石焼き食べません」と言う俺もかなりめちゃめちゃだが、体の具合と相談すると、食べる気分にならない。
言い合いの結果、明石焼き1人前をテイクアウトにしてもらい、それをそこら辺の公園のベンチに座り、ふたりで食べるということで、お互い妥協した。

「さて、この辺りで公園を探しましょうか」と、サドルに股がり少し走ると、「いい場所ありますよ」とTさん。
「どこやろ?」と思いながら、誘導されて着いた先が、淡路ジェノバラインの乗り場だった。

淡路ジェノバライン。
淡路島に行く度、いつもお世話になっている船。
その乗り場の脇にベンチがあり、「さぁ、景色を満喫しながらテイクアウトの明石焼きを食べましょう」となった。

その日は船に乗るわけでもないのに、ベンチを占領してすみません。
ジェノバラインの職員の皆様、次からは船も利用させて頂きますのでね。

ベンチの前の壁に、俺のロードバイクとTさんのマウンテンバイクを立て掛け、明石焼きのパックを開けた。

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