(737)意外に良かった鳴門徳島サイクリングロード-8

文明橋からスタートし、25分経過。
まぁ、たった25分…なので、大した距離を走ったわけでもないが、どうも気だるい。
路面を覆う、濡れた落ち葉や、辺りを飛び回る虫に神経を使い過ぎたのだろうか。

何となく、本当に何となく惰性でクランクを回し、川沿いの道に出た。
少し先に見える橋を確認し、「次はあれを渡ったらええんやな」。
ひとり納得した後、また何となくクランクを回す。

脚が痛いわけではない。
息が切れているわけでもない。
にも関わらず、「気合い入れて走ろうぜ!」とか、「せっかく鳴門まで来たんや。サイクリングを楽しもうぜ!」という気分にはなれず、だらだらと進む。
「これは、自分に渇を入れなあかんよな」。
川辺を舞う白い鳥(鳥の種類は知らん)を眺めながら、そんなことを考えていると、「やっぱり、俺には彼らが必要やな」。

以前から、サイクリング中、気持ちが乗らずにとろとろ走ることがあった(何度も)。
まぁ、サイクリングは仕事ではなく趣味なので、趣味なりに適当にこなしておけばいい…という気もしなくはないが、例え趣味でも本気で向き合うのがベストだろう。
自分が自由になれる限られた時間を最大限に活かすためにも、本気で向き合った方がいい。

頭では分かっている。
ただ、実際に走っていると、「プロちゃうんやから、しゃかりきになって脚を回さんでええやろ」とか、「今日はこれだけの距離を走ったんやから、後は手ぇ抜こう」。
そんな考えが頭をよぎり、「自分に甘い自分」を自覚する。
ダメだ。
これではダメだ。
かと言って、自分に甘い自分を、自分の手で変える自信も無い。
なら、他人の手を借りればよい。

最良の手段は、「トレーナーを雇う」。
俺に渇を入れ、気合いを入れてくれるトレーナー。
既に、候補はふたりいる。
ひとりは、「張本勲」。
もうひとりは、「アニマル浜口」だ。
そもそも、彼らがロードバイクに乗れるかどうかは知らないが。

惰性でクランクを回しつつ、「劉備もなぁ、この2人を手に入れてたら、天下取れたのになぁ」と思い、次の瞬間、「しょーもな」と呟く。
確かにしょーもない。
本当にしょーもない。
我ながら、気持ち悪いレベルでしょーもない。
ひとり傷付いていると、橋の袂(たもと)。
大里橋だ。

大里橋。
まぁ、どこにでもある普通の橋なので、説明は抜きにして話を進める(興味がある人はWikipediaか何かで調べてみて下さい。俺は調べなかったですが)。
サイクリングロードのルートでは、橋を渡り、すぐに左折し。
そして、川沿いの道を進む…はずだが、工事中。
「この道、あかんのかぁ」。
迂回。

本来のルートに戻る道は分からないが、方角は分かる。
「南東に向けて進んだらええわ」。
辺り一面に広がる畑。
次に、民家、民家、民家。
田舎の町並み。
路地をくねくねと進む。
「おいおい、勘弁してくれよ」。
「ここ、どこやねん?」。
路地を曲がって曲がって、曲がって曲がって…。
ルートに戻れるちょうどいい道が無い上に、方向感覚が狂いそうだ。

「まぁ、落ち着け」。
「まぁ、落ち着け」と自分に言い聞かせる。
「こんな機会が無ければ一生訪れることの無い土地だ。困難も含めて楽しむべき」。
また自分に言い聞かせる。
ごもっともだ。
まぁ、「『訪れたい』と思うこと、多分、一生無いで」という気もしたが。

つづく

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