(751)意外に良かった鳴門徳島サイクリングロード-22

吉野川沿いを西へと進む。
「多分、ここら辺やったよな。ゴール」。
サドルから降り、辺りを見回す。
特に感慨深いものは無い。
「ま、とりあえず、走破したってことでええよな」。
「うん、鳴門徳島サイクリングロード、32㎞走った」。
「アホみたいに迂回しまくったけど」。

トップチューブに跨がった状態で、サイコンに目をやる。
「もう、12時前かぁ」。
9時過ぎにスタートし、32㎞を走り終えるのに4時間近く要したようだ。
その現実に、我ながら恐怖した。
宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この1ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々は、自らの行為に恐怖した…ぐらい、俺は恐怖した。

「第22話 俺、渡船乗り場へ戻る」

俺とロードバイクを車に乗せて、鳴門まで連れてきてくれたNさん(50代 男性 この時、鯛釣りをしている)。
彼との待ち合わせは、15時。
場所は、鳴門の渡船乗り場。
スマートフォンアプリの「自転車NAVITIME」で、現在地から鳴門までの距離を確認すると、12~3㎞(だったと思う)。
待ち合わせ時間よりもかなり早く着きそうだが、「ま、渡船乗り場に戻りましょか」。
クランクを回す。

鳴門の渡船乗り場へは、確か、29号線、11号線、28号線を進んだと思う。
多分。
正直、この時の記憶はいい加減だ。
と言うのも、鳴門徳島サイクリングロード。
途中、雨に打たれた後、急に気温は上がり、俺はちょっとした頭痛に見舞われた。
その影響だろう。

いい加減な記憶。
この記事も、前の記事も、前の前の記事も…だ。
頭痛に苦しみつつ、朦朧状態で走り、その中で残ったいい加減な記憶。
そして、写真。
ふたつを元に記事を構築し、書く…ことに随分と苦労した。
が、それもそろそろ終わる。
今、俺は解放感を覚えつつ、パソコンの前でキーボードを叩いている。

まぁ、いい。
それはいい。
話を戻す。
29号線を進み始めて、軽く衝撃を受けたのが、交通量と信号。
鳴門徳島サイクリングロードにおいて、車はほぼ見掛けなかった(耕運機はよく見た)。
信号もほぼ無かった(設置する必要も無い道ばっかりだったので)。
しかし、29号線は違う。
ブラケットを握りながら、現実に引き戻された気分に。

数時間、数十分前のことを思い返す。
あっちもこっちも工事中。
迂回、迂回、迂回。
狭い上に、路面状態の悪い道が続いた鳴門徳島サイクリングロード。
ただ、繰り返すが、信号と走っている車をほぼ見掛けなかったことは良かった。
本当に良かった。
幅の狭い道が多かったのも、迷宮をさまよう…といった感覚に陥り、それはそれで楽しかった(気がしないでもない)。
工事が終わり、本来のコースをまもとに走れるようになれば、「また行きたいなぁ」と思う(ほんの少し)。

信号が赤から青に変わるのを、ぼんやりと待つ。
「あぁ、青になったなぁ」。
「頭、痛っ」。
ゆっくりとクランクを回し、徐々に、徐々に、鳴門の渡船乗り場が近付いた。

つづく

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