(758)ロードバイクに乗って撫養城へ、らーめん山東へ~訪れた城リスト1件追加~

「勘弁してくれよ。ここ、どこやねん?」。
ゴールが見えない。
ルートが分からない。
不安に駆られながら妙見山の周りをさまよう。
「ほんま、勘弁してくれよ…」。
俺は、山の上に建つ撫養城天守に向かいたい。
ただそれだけだ。
しかし、道が無い。
もう一度言う。
山の上に建つ撫養城天守へ、ロードバイクで進める道が無い。

が、「もしや、これか!?」。
道の脇に佇む、立て看板が目に入った。
「妙見山公園」とある。
間違い無い。
明治6年の廃城令以来、多くの城はボロボロにされるか陸軍の軍用地となった。
ただ、戦後、「○○城址」または「○○公園」として復活したケースも多い。
おそらく、この「妙見山公園」は「撫養城址」と解釈して良いだろう。

道が開けた。
この先に、撫養城天守がある(はず)。
「さぁ、行きましょかぁ」。
颯爽と駆ける俺(時速23㎞/h)。

平坦から登りに入る。
俺は、基本的に登りが嫌いだ。
理由は、辛いから。
しかし…だ。
前の日に津田引田線を走り、開眼した。
「俺、実はクライマーやったんやな」と。
まぁ、気のせいなんですけどね。

大した傾斜ではない。
ただ、初めて登る道だ、
どこまで続くのか、今どの辺りにいるのか、感覚としては分からない。
「大丈夫」。
「そう、大丈夫」。
「実は、俺、クライマーなんやから」。
自分に言い聞かせる。

「だっる」。
「おいおい、まだ先があるんか…?」。
右手をハンドルから離し、グローブで顔の汗を拭く。
と、「お、天守が見えるわ!」。
ゴールに近付いてると実感。
やがて傾斜は緩やかになり、駐車場に出た。

ずらっと7~8台の車が止められ、その前で何組かの家族がワイワイ。
「何してるんやろ?何かのイベントでもあるんか?」。
脚を止め、彼らを観察する。
「わからん」。
「ま、単なる地元仲間の寄り合いみたいやな」。
そう結論付け、またクランクを回していると、「俺はいつもひとりやな」と思った。

天守へは、もう少し登らなければならない。
が、道の脇に「車両侵入禁止」の看板。
「自転車は軽車両やからOKやな」と思ったが、念のためにサドルから降りた。
ハンドルを軽く支え、狭い坂道を登る。
「これはこれで結構しんどいわ…」。

SPD-SLシューズでの歩きにくさを再確認しつつ、やっとたどり着いた。
三層の天守。
ハンドルにぶら下げているドリンクホルダーからスマートフォンを取り出し、写真を1枚。
「よし、帰ろか」。

苦労して来た割に言うのもなんだが、正直、俺は撫養城天守には興味が無い。
何故なら、これは模擬天守。
歴史的背景が曖昧な、ただの箱。
中には市民ギャラリーや会議室があるらしいが、有り難がって見たいとは思わない。
そんなことよりも、俺にとって値打ちがあるのは「撫養城を訪れた」という事実。

熊本城、萩城、松江城、岩国城、広島城、岡山城、松山城、高知城、丸亀城、高松城、徳島城、洲本城、竹田城、姫路城、明石城、大阪城、淀城、伏見城、二条城、出石城、和歌山城、伊賀上野城、松阪城、田丸城、津城、彦根城、長浜城、大垣城、名古屋城、岡崎城、小田原城、皇居、仙台城、五稜郭…。
この日、俺が訪れた城リストに、「撫養城」が追加された。
やったね。

つづく

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