(771)ロードバイクに乗って津田引田線を走り、鳴門で夜を過ごす~引田駅~

鳴門の渡船乗り場からスタートし、20㎞と少し。
とりあえず設定した目的地…の引田駅に着いた。


「おぉ…」
「何や、駅舎に喫茶店が併設されてるやんけ」
いつも駅の前を通り過ぎるだけなので、じっくりと駅舎を目にするのはこの日が初めて。
ちなみに、喫茶店の名前は「カフェ・ド・カンパーニュ」。
今後、「カンパ」と呼びたい。
ま、どうでもええけど。

「そっれしても…」
考える。
「そっれしても…、もしかして、この駅ってランクの高い駅なんかな?」
これまで、鳴門(徳島県)~安芸(高知県)や、鳴門~高松(香川県)を走り、いくつかの駅を目にしたが、そのほとんどが無人駅だった印象。
ところが…だ。
引田駅は違った。
駅舎の中には人(駅員)の気配もするし、喫茶店まであるとは。
正直、俺は今まで引田駅を見くびっていた。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。

駅舎に向かって土下座した後、軽くハンドルを押して入口へ向かう。
何も、電車に乗るわけではない。
「もしかして、駅弁が売ってるかも」と思ったからだ。
ここ数年、出張する機会が減ったため、駅弁が恋しい。
ただ、歩きながら、ふと思った。
「仮に駅弁が売ってても、どこで食うねん?」
確かにそうだ。
諦めよう。

と、駅舎の入口に展示された、どてかぼちゃが視界に入る。
「何や、これ?」
黄色いどてかぼちゃ。
引田の名産品なのか?
その脇には、「さわっちゃいやよ!お・ね・が・い!!」との注意書き。
「触れへんよ」
「そないに興味あらへんよ」

踵を返し、駅前に設置された観光案内板へと歩く。
「えと、現在地がここやから、11号線の信号を渡って…」
「適当に北へ進む…と」
「で、適当に東へ行けば観光名所、古い町並みがあるみたいやな」
「OK。こんなもん、適当でOK」
サドルに跨がる俺。

江戸時代より栄えた引田には、豪商のお屋敷や醤油醸造所が残っている。
俺はそれらを眺めつつ、ロードバイクを押してゆっくりと歩く。
いいねぇ。
とまぁ、イメージは完璧だが、数分後、「ほんまに、この道で合ってんのか?」。
不安になってきた。
目の前には、古い町並み、歴史を感じさせてくれる味わいある町並み…ではなく、ただの田舎の町並み。
「しまったな」
「観光案内板をちゃんと見とくべきやったわ…」
「しっかりと道順を確認すべきやったよなぁ」
自分のいい加減な性格に呆れつつ、引田の町をさまよう俺。

つづく

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