(773)ロードバイクに乗って津田引田線を走り、鳴門で夜を過ごす~かめびし屋の赤~

引田の町並み。
「この家も昔からの金持ちなんかな?」
「そこそこ広い庭付きで、立派な母屋があるお屋敷なんやろなぁ」
塀の向こうがよく見えないため、そんなことを想像しつつ、ゆっくりとクランクを回し、狭い路地を進んだ。

目指すは「かめびし屋」。
江戸時代から醤油を製造しているらしい。
まぁ、普段から醤油を味わう度にいちいち感動しているわけでもなければ、醤油に興味もない俺だが、かめびし屋には寄ってみたい。
と言うのも、そんじょそこらの醤油醸造元ではないのだ。

話を少し前に戻す。
鳴門から引田へ向かう際、俺はスマートフォンで引田の町並みについてさらっと調べた。
古い町並み、古い建物…と、いくつかの画像に目を通した中で、かめびし屋は際立っていたね。
はっきり言って。
赤!
赤!
赤!
赤!
これでもか!
これでもか!?
赤で埋め尽くされたかめびし屋の壁は、あまりにもパンチが効きまくり、好奇心が掻き立てられた。

期待を胸に、ゆっくりとクランクを…。
と、一目瞭然。
「着いたわ。かめびし屋」
脚を止め、アイウェアを外す。
視線の先には赤い壁。

正直に言うと、ネットでかめびし屋の赤い壁を見た時、「悪趣味すぎるやろ」と思った。
悪趣味だからこそ、逆に好奇心を掻き立てられた。
が、実際に間近で見た印象はまったく異なる。
「これ、アートやな…」
日本人の美的感覚としては、古びた神社に赤い鳥居…の様に、差し色としての「赤」は有効。
俺はそう考えていた。
しかし、赤すぎる赤、赤だらけの赤を目の当たりにし、別次元の美しさを感じた。

赤い壁。
昼間に見る赤い壁と、夕方に見る赤い壁。
晴れの日に見る赤い壁と、雨の日に見る赤い壁。
それぞれには、また違った赴きがあるのか?

考えていると、門の向こうに動く人影。
おそらく従業員だろうが、赤いTシャツを着ているため、ラーメン屋に見えた。
まぁ、それはそれとして、かめびし屋では醤油を製造しているだけではなく、宿泊もできる(らしい)。
また、中でうどんやピザ、焼きおにぎりも食える(らしい)。
「焼きおにぎり、いいねぇ。大好き」
「ピザは、醤油が効いた味なんかな?興味あるわぁ」
ネットで得た情報を思い出し、急に食欲が湧く。
ただ、この日はコロナのせいで…。

まぁ、いい。
それはいい。
焼きおにぎりがどうよりも、「またここに来たい」と素直に思う。
今まで、ロードバイクに乗って観光名所を巡ったが、「目的地に設定したから行く」だけで、その大部分は「流した」だけ…だった。
しかし、かめびし屋には訪れたい。
この時とは違う時間帯、違う天気の日に、また赤い壁を楽しみたいと思う。

つづく

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