(775)ロードバイクに乗って津田引田線を走り、鳴門で夜を過ごす~ホタテマンと私~

「ホタテをナメるなよ」
「GO!GO!」
「大人にゃ負けないぜ」
「GO!GO!」
脳内で「ホタテのロックンロール」を繰り返し歌いながら、11号線を西へ、津田の松原へと走る。

普段、猛スピードで車に抜かれる際、恐怖を感じるが、この時は違う。
車など怖くない。
いや、気にならない。
「ホタテのロックンロール」に夢中で。

歌いながら(脳内)、ひたすら脚を回す。
回す。
回す。
と、気のせいか、ケイデンスが上がっているように思える。
今使っているサイコンではケイデンスが測れないため、飽くまでも感覚でしかないが、普段の俺よりも、俺の平均よりもケイデンスは上がっている(はず)。
これも「ホタテマン」、「ホタテのロックンロール」のおかげか。

「ホタテ…のおかげ…、あり得るな」と思う。
根拠は漫画「弱虫ペダル」の小野田坂道くん。
彼は、アニソンを歌うことでハイケンデンスを生み出している。
「うん、あり得る」
漫画以外にも、ネットを探せば「音楽によるパフォーマンスの向上」といった論文がありそうだ。
気になる。
とても気になる。
でも、探さない。
探すのが面倒くさい。

俺が進む11号線は、鳴門から高松方面へ向かう際、これまで何度も走った。
小さな峠を越えると小さな町があり、小さな町を抜ける小さな峠があり…を繰り返す道だ。
まぁ、町中では信号も交通量も少し増えるが、それでも俺が住む阪神間に比べると格段に快適。
走りやすい。
ただ、不満がひとつある。
何度も走っているからだろう。
景色に新鮮さを感じない。
景色が面白くない。
忙しく脚を回していても、退屈な気分になる。
が、この日はいつもとは違う。
俺には「ホタテマン」がついているのだ。
「ホタテのロックンロール」を歌い続けることで(脳内)、気分が紛れる。
本当に、ホタテ様様である。

「そっれにしても…」
クランクを回しながらホタテマンのビジュアルを思い出し、吹き出しそうになった。
首から下をすっぽり覆う、大きなホタテ。
袖には、プレスリーを彷彿させるひらひら。
「ホタテ+プレスリー」という発想が斬新すぎる。
また、左胸には「ホタテマン」と書かれた名札。
これも面白い。
普通、名札には他人と判別する意味、効果があると思うが、ホタテマンの場合、「名札いらんやろ!?そんな恰好してんの、世の中でお前しかおらんやんけ!」だ。
突っ込みどころまで用意してくれるホタテマンは、本当に奥深い。

と、感心したところで、緩やかな登りに入った。
いつもの俺なら、「登り、だっる…」と呟き、そして下を向くが、もう大丈夫。
俺には「ホタテマン」がついているのだ。

つづく

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