(779)ロードバイクに乗って津田引田線を走り、鳴門で夜を過ごす~KRMサイクルスポーツセンター構想~

トップチューブに跨がり、そして考える。
「鳴門まで、どの道で帰ろか?」
往路で選択した11号線は、これまで何度も走った道だ。
正直、もう飽きた。
なら、復路は違う道を…と、Googleマップを確認。
「ほぅ、『讃岐街道』って道があるんかぁ」
「で、これを東に進んだら、『津田引田線』。さらに進めば引田の町に出る…と」
「OK。採用」

讃岐街道。
立ち並ぶ民家に挟まれた、狭い道。
「街道」と名が付くだけあって、古くからある交通路なのだろう。
道が狭いのは、そういうことか。

前を向き、ゆっくりとクランクを回す。
この道は、信号も無ければ車も走っていない、有り難い環境だ。
ただ、路地から子供が飛び出してくるかも知れない。
そうだ。
可能性は0ではない。
事故を未然に防ぐため、慎重に進もう。

路地が見えると、ブレーキレバーに指を当てる。
また路地が見えると、ブレーキレバーに指を当てる。
その度に、俺は思う。
「なかなか無いもんやなぁ」と。

繰り返すが、信号も無ければ車も走っていない。
ただ、子供への注意が必要となり、思い切りクランクを回せない。
そんな環境に対し、現実に対し思う。
「完全な環境って、なかなか無いもんなやぁ…」と。

「いや、ちょっと待てよ」
脳内で呟く。
「無いんやったら、自分で作ればええやんけ」
そうだ。
自分で作ればいい。
宝くじでも当てて(買ったことないけど)、自分で作ればいい。

場所は、ど田舎。
二束三文の土地を買い、草むらと山に舗装路を敷く。
コースは、1周20㎞~30㎞。
1時間で1周できる、手頃な感じでいこう。
いいねぇ。

信号も無ければ車も走っていない。
もちろん子供も飛び出してこない。
なんて理想的な環境なのだろう。
当然、そんな素晴らしい環境を俺ひとりで独占する気は無い。
全国の、全世界のサイクリストに開放したい。
そう、全てのサイクリストを喜ばせる、「KRMサイクルスポーツセンター」として。

と、ここまでイメージしたところで、問題点がひとつ。
多くのサイクリストに訪れてもらいたいが、ど田舎すぎると来てもらえないな…と。
困った。
死にかけの路線の潰れかけの駅でいいのだ。
半径30㎞圏内に駅があってほしい。
最寄り駅から当センターまで30㎞以上離れてしまうと、輪行で訪れる人に、「たどり着くにはコースと同じ距離走らなあかんのかよ」と思われる。
それは、何となく嫌だ。
あと、車で訪れる人のことも考えなければならない。
ガタガタでいい。
ボロボロでいい。
とにかく、近くに道が通っていないと話にならない。
参った。
まぁ、場所選びについては、後日、検討しよう。
まずは、宝くじを当ててからだ(買ったことないけど)。

と、問題を先送りしたところで、またひとつ問題が。
もしも…だ。
もしも、大雨で土砂崩れ…などの自然災害が起こった場合、コースの補修が必要になる。
また、災害が起こらなくても…だ。
舗装路の経年劣化は起こり得るため、補修しなければならない。
ならない…。
ならない……。
ならない………。
で、その金はどうする?

宝くじを当て(買ったことないけど)、その金をKRMサイクルスポーツセンターの建設に回す…ところまでは考えていたが、維持する金については想定していなかった。
ヤバかった。
早めに気付いて良かった。

考える。
建設後、宝くじで得た金が尽きた場合、当センターを維持する金をどう工面すればよいか?
当センターを訪れるサイクリストから入場料をもらおうか。
いや、ダメだ。
サイクリストは、俺にとって仲間。
知らない人でも、サイクリングを楽しむ人は仲間、ブラザーだ。
ブラザーから入場料を取るなど、あってはならない。
「KRMサイクルスポーツセンターは入場無料」
それだけは絶対に曲げたくない。

しかし…だ。
現実として、どうしても向き合わなければならない。
金の問題に。
どうする?
どう判断する?
どう対応する?
これまで得た知識、そして経験。
今、その全てが試されている。

考えろ、俺。
考えろ、俺。
答えはある。
答えは、どこかにある。
それを、もがいてもがいて手繰り寄せろ…。

あっ…。
答えを見付けた。
入場料を取らないのなら、別の方法で収入を得ればいい。
そうだ。
「水 ¥5,000」
これでいこう。
好都合にも、当センターは僻地。
周りに自販機もコンビニも無い。
¥5,000の水を買うしかない。
「コーラ ¥8,000」
本当なら、¥8,500取りたいところだが、小銭のやりとりが面倒なので¥8,000に負けておこう。
「ソフトクリーム ¥10,000」
有り難がって買うアホもおるやろ。
「レトルトカレー ¥15,000」
何か、発想が両さんみたいになってきたな。

ついでに、土産も売りたい。
まずは、ペナント。
「日光」や「甲子園」みたいな感じで、「KRMサイクルスポーツセンター」と書かれたペナント。
うん、ペナントは外せない。
俺は以前から思っていた。
ペナントほど、部屋を貧乏くさく見せるインテリアは無い…と。
しかし…だ。
それが逆にいい。
採用。
「ペナント ¥30,000」

他には、新撰組の法被(はっぴ)。
勿論、当センターと新撰組には何の縁も無い。
が、「KRMサイクルスポーツセンターがある山で、昔、近藤勇が剣術の特訓をしていた」とか何とか適当な噂を流せば、新撰組ファンも訪れるかも知れない。
法被を買ってくれるかも知れない。
もし、「デタラメなこと言いやがって!」とクレームが入れば、「デタラメって?お前は近藤勇本人に聞いたんか?」で返す。
ちなみに、俺も本人には聞いたことがない。
「新撰組の法被 ¥150,000」

はっ…。
金儲けのことばかり考える自分に気付く。
ダメだ。
金は大事だが、まずサービスについて考えよう。
サービスを充実させ、来てくれた人に評価された後、結果として金が付いてくるのだ。
そう、サービスについて考えよう。

考える。
当センターは僻地にあるため、遠方から訪れる人が多いだろう。
となると…だ。
宿泊施設があれば、喜んでもらえる。
間違い無く喜んでもらえる。
よし、詰所みたいもんをひとつ建てておこう。
他に、「温泉に入りたい」とリクエストされた場合、シャベルを無料で貸し出すサービスも用意しておこう。
いいねぇ。
お客様目線。

ハローサイクル ハロー青春♪
KRMサイクル スポーツセンター♪

つづく

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