(808)Bianchi ARIAで大阪臨海線を走って墓参り~向かい風の中~

大阪市内から和歌山方面へ。
途中まで、向かい風に対し憎悪を抱きながら26号線を進んだが、ルートを大阪臨海線に変更することで「何かが変わるやろう」という、根拠の無い希望も持っていた。
が、「余計にひどなってとるやんけ!ボケ!」。

ゴーーーゴーーー。
バタバタッバタバタッ。
轟音が鳴り響き、俺は強風に煽られる。
「くそっ…、くそっ…」
必死になってクランクを回すが、進まない。
見えない何かに、前から両肩を押さえ付けられている感覚。
「おいおい、おいおいおいおい!」
ハンドル持って行かれそうになり、動揺する俺。

怖い。
真横を走る車が怖い。
「下手したら、こけてたで…」
「もし、こけてたら…」
「車に衝突って、やっぱり痛いよな…」
「最悪、死ぬか…」
忌まわしい想像に、頭が支配される。

顔を左右に振り、無心になって脚を回そうとするが、1の恐怖心が10になり、100になり…。
「ほんま、勘弁してくれよ」と思う。
また、「何の試練やねん?」とも思う。

何故、兵庫県に住む俺が、大阪市内を抜けて、大阪府南部の田舎町へわざわざ向かうのか?
それは、うちの墓があるからだ。
そう、俺は「墓参りをする」ために走っているのだ。
が、嫌がらせとしか思えない、強い向かい風。
ゴーーーゴーーー。
バタバタッバタバタッ。

「あっ」
気付いた。
もしかして、先祖は「来るな」というメッセージを送っているのではないか。
「お前のようなカスは、墓に参るな」と。
「もう、頼むから近寄らないでくれ」と。

「おい、さすがに、その発想はひねくれすぎやろ」
脳内にいるもうひとりの自分から指摘され、「あかん、あかん」。
もう一度、顔を左右に振る。

「冷静になれよ」
「冷静に」
冷静になる。
冷静になり、そして考えてみると、26号線をそのまま真っ直ぐ進もうが、大阪臨海線を走ろうが、向かっている方向は一緒。
風向きも一緒。
そして、今、俺が走る大阪臨海線は海側。
風の影響を受けやすい。
「しくじったな…」

ゴールに設定している墓地まで、まだ30㎞の距離がある。
耐えて、耐えて、耐え忍んで、強い向かい風の中を走らなければならないのか?
30㎞も…。

「考えろ」
今、直面している苦しみから解放される方法…を考える。
とりあえず、海沿いのルートを離れ、町中の道を走るのはどうか?
考える。
ダメだ。
向かい風は、少し弱まるかも知れない。
ただ、道が狭く、アホみたいに信号が多い。
それはそれで、ストレスを抱える。
なら、リタイア…か?
どうする?

「どうしよ?」
もう少し考えて、結論を出したい。
「うん」
と、道は右へのカーブ。
浜寺大橋が見えた。

歩道に上がり、橋のたもとにロードバイクを立て掛ける。
休憩しながら考えよう。
進むか、帰るか。

つづく

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