(814)Bianchi ARIAで大阪臨海線を走って墓参り~自己愛を満たす~

「パチッ」
クランクを回す左足を軽く捻り、そして路面に着く。
「何や、これ?」
神殿のような建物。
興味が湧き、信号を渡る俺。

「結婚式場か?」
スマートフォンを操作し、ネットで調べてみると、「南海浪切ホール」という多目的ホール。
「ここでプロレス興行もするんやろか?」
「どうやろ?」
そんなことを考えていると、10分経ち、15分経ち、また時間をロス。
大阪臨海線をスタートしてから、このように無意味な休憩を繰り返したため、後ほど、俺は死に物狂いで走ることになる。

脚を回しながらサイコンに目をやり、時間と走行距離を確認。
家からここまで40㎞ほどの距離…で、4時間近くも掛かっているではないか。
ものすごく嫌な現実を突き付けられ、自分の情けなさを痛感。

そう、自分の情けなさを痛感。
ママチャリなら分かるが、ロードバイクに乗って、1時間に10㎞しか進まないとは、はっきり言って異常だ。
俺の脚は異常だ。
それに気付き、心が折れた。

が、ここで心のリカバリー。
「俺は悪くない」
自分にそう思い込ませる。
「俺は悪くない」
「俺は何も悪くない」
うん、悪くない。
誰かのせい、何かのせいだ。
外的要因を考え、それに全責任を押し付けよう。

「向かい風のせいや」
間違い無い。
間違い無く、そうだ。
ここまで、強い向かい風を受けてきた。
クランクを回しても回しても、前から押さえ付けられている感覚。
それを味わい続けてきた。
俺は悪くない。
どこをどう見ても平坦な道。
ただ、進むには、傾斜のきつい登りのような負荷を強いられる。
強いられ続ける。
うん、俺は悪くない。

いや、むしろ、俺は良い。
俺はすごい。
過酷な環境の中、ここまで走った俺はすごい。
どう考えてもすごい。
「あぁ、自分、大好き」

と、自己愛に満たされたところで、ゴーーーゴーーー。
真横から突風。
ハンドルを取られ転倒しそうになったが、耐えた。
一瞬、死ぬかと思ったが、耐えた。

しかし…だ。
同じようなことは、この先もあるだろう。
怪我をしないためにも、死なないためにも、歩道に上がろう。
それが賢明な判断だ。

歩道に目を向ける。
ひとりの歩行者も見掛けない。
また、仮にいても…だ。
強い向かい風のため、歩行者に迷惑を掛けるような高速巡航はできない。
歩道に上がろう。

なんと聡明で思慮深い俺。
諸葛孔明の如し。
「あぁ、自分、大好き」

つづく

にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする