(820)Bianchi ARIAで大阪臨海線を走って墓参り~怖い話は大好きだが…~

樽井駅から先祖が眠る墓場まで、もう10㎞も無い。
あと少しだ。
墓場へのルートは、「これを道なりに進んで、大通りに出て南へ…か」。
スマートフォンを、ハンドルにぶら下げたボトルホルダーに放り込み、俺はクランクを回し始めた。

海側のルートを逸れても、向かい風は吹き続け、そして受け続け…。
いくらもがいても、時速は20k/hと少し…。
「おかしいやろ?」
「ほんま、どういうことやねん?」
嫌気が差す。

が、脚を回さなければならない。
死に物狂いで進むのだ。
急げ。
急げ。
急げ。

俺は急がなければならない。
実は、りんくうゲートタワービルの辺りから、不安を抱えていた。
空を見るたびに、感じていた。
「こいつはヤバいな…」と。
「あかんわ…」と。
「このままやと、薄暗い中、墓参りせなあかん…」と。
「怖すぎるやんけ…」と。
それは何とか回避したい。

サイコンに目をやり、時間を確認する。
17時前。
普段、生活している中で、「最近、日が暮れるのが遅くなったよなぁ。夏やなぁ」とか、「日が暮れるのが早くなったなぁ。もう冬か」などと感じることがある。
ただ、「何時何分に日が暮れるか?」までは意識していない。
この日は12月30日。
仮に、17時半に日が暮れる…と根拠も無く仮定した場合、あと30分と少しの時間で墓地へたどり着き、墓参りを済ませて墓地を出なければ。
可能か?
分からない…。

物心を付いた時から、俺は怖い話が好きだった。
想像力が刺激され、鼓動が激しくなり、ひとりで勝手にビビり倒す。
その一連の流れが…、もう最高。
40を過ぎた今も、怖い話に魅了され続けている。

ただ、俺は怖い話が好きなだけで、「霊感があるか?」と聞かれると(誰も聞いてへんけど)、「無い」と答える。
幻聴みたいなもので怖い思いをしたことはあるが、落武者の首が飛んでるのを見た…とか、黒髪で白いワンピースを着た不気味な女が家の前に立っていた…といった経験は無い。
しかし…だ。
これまで、霊を見る機会が無かっただけで、本当は見えるかも知れない。
暗い時間帯に墓参りすれば、墓場をうろつけば、見えるかも知れない。

見えるかも…?
嫌だ。
率直に言って、「見たくない」。
怖い話も霊も好きだが、見るのは嫌だ。
自分が当事者になることだけは、絶対に避けたい。
話を聞いて、想像を膨らませて楽しむだけ。
今後も、霊とはこの距離を保ちたいと思う(次第です)。

はい。
俺が暗くなるまでに墓参りを終わらせたい理由は、以上。
急げ。
急げ。
急げ。

つづく

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