家に向けてクランクを回していると、「うわぁ…」。
暗くなる前に墓参りを済ませ、気が緩んだせいか、右足の脛(すね)が急に痛み出した。
2時間ほど前、田尻スカイブリッジで転倒して負った怪我。
「輪行で帰ろか…?」
「うん、もう走る気力あれへんわ」

「で、どこから乗る?」
考える。
「普通しか停車せえへんけど、すぐ近くの駅から電車に乗ろ。普通やったら空いてるやろし、他の乗客に迷惑を掛けへんやろ」
「いやいや、普通に乗ったら、難波まで1時間ぐらい掛かるんちゃうか?時間の無駄やで」
「う~ん、確かに時間の無駄やな。でも、この辺で特急の停車駅って、どこや?」
「多分、『尾崎』やで」
「じゃあ、尾崎を目指して走ろうかぁ」
田舎の住宅街を進む。
辺りは暗く、人影も少ない(と言うか、無い)。
「まだ18時前やのに、この辺の人はもう寝てるんか?」
この日に限ったことではないが、郊外に出ると、同じ疑問を抱くことが多い。
まぁ、いい。
それはいい。
そんなことよりも、少し困った。
現在地から尾崎駅までのルートをGoogle Mapで確認したところ、「えぇ…?」。
頭を抱える俺。
解説する(大した話ではない)。
俺はロードバイクに乗って10年ほど。
当然、知らない土地を走った経験は何度もある。
その際、Google Mapを見て、「真っ直ぐ行ったらガソリンスタンドがあって、そこを右に曲がったら郵便局があって、そこを…」と、何らかの建物を目印にして走ってきたわけだ。
が、現在地~尾崎駅間には無い。
目印になる建物が無い。
マップ上に、布団屋や八百屋など小さな商店はあるが、雰囲気的にもう閉まっていそうだ。
困った。
このままだと、少し進んではGoogle Mapを確認、少し進んではGoogle Mapを確認…を繰り返さなければならない。
「面倒くさいわ、ボケ!」だ。
が、ちょっと待て。
落ち着け。
どこかに答えがあるはず。
再度、注意深くスマートフォンの画面を凝視。
「あ、あった!」
今、俺が進んでいる道は、裏道ということもあり、これといった建物は無い。
ただ、信号がある。
それも、周辺で唯一の信号。
とりあえず、何も考えず真っ直ぐに進めば信号があって、右に曲がれば尾崎駅…と。
「OK」
クランクを回す俺。

余談になるが、この記事を読み返して身震いした。
「ほんま、どうでもええ話やなぁ…」と。
まぁ、毎回、どうでもいい話…であるにしても、今回は特にどうでもいい。
書いている間、「こんなどうでもええ場面を、細かく書かず先に進めよ」。
何度もそう思った。
しかし…だ。
書いてしまったものは仕方が無い。
投稿する。
ちなみに、次回は、輪行で尾崎から難波へ向かう話。
これまた「ほんま、どうでもええ話やなぁ…」になると思う。
宜しく。
つづく

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