(15)野犬に襲われる。淀川サイクリングロードは命懸け。

二十数年前のある日の夕方、家でゴロゴロしながらテレビでニュースを観ていた。
国会がどうのとか凶悪犯が逮捕されてどうのとか、そういったニュースをなんとなくぼけ~っと。
後半、ローカルなニュースとなり、それが、俺なりに考えさせられる内容だった。

淀川の河川敷において、捨て犬が野生化し、群れをなして歩行者に襲いかかっているという。
そもそも飼い犬を無責任に捨てる人間が悪いのだが、人間に危害を加えるとなると対策が必要だ。
でも、元を辿れば犬が悪いというわけではなく、難しい問題だなと。。
映像を観ると、いかにも野蛮そうな野犬もいれば、中にはマルチーズのようなかわいらしい小型犬もいた。
当時、俺は淀川の河川敷を歩く習慣がなかったので、当然、被害にあうこともなかった。
ただ、家でシーズーを飼っていたからか、どうも他人事のような気分になれなかった。

ロードバイクを購入し、時間があればあちこちサイクリングしていた俺。
ある日、友人に「淀川サイクリングロードを走ろう」と誘われ、京都の大山崎まで行った。
そこから先は舗装されておらず、砂利道だったので帰ったが、淀川サイクリングロードまでの道をおぼえることができたのは、俺にとって収穫だった。
しばらくしてから、ひとりで走ろうと思い、計画をたてた。
大山崎まではサイクリングロード。
そこからは上にあがって、車道を走り、京都の東寺まで行こうと。

早朝、出発。
朝の6時過ぎには淀川サイクリングロードを走っていた。
ここは、ちょこちょこ車止めがあり、その度に自転車から降りて通過するのが面倒だ。
だが、道が広くまわりをあまり気にせず走れるので、爽快である。

前方に集団がいる。
ママチャリに乗り、ジャージを着た中学生か高校生が6、7人走っている。
部活の朝練に行くのだろう。
別にそれはいいのだが、大声で内輪受けする話をしながら横に広がって走られると、俺にとって邪魔でしかない。
重いギアにかえて加速し、抜き去ってからもしばらく高速で走った。

少し疲れてきたので、ペダルを踏むのは少し休め、ちんたら走ることにしたところ、草むらから野犬出現。
ボスっぽい犬が、俺に向かって威嚇するように吠えたと同時に、ボスも含めて4匹の野犬が俺に向かってきた。
本気で他人事ではない。
全て中型犬だったと思う。
いい肉付きだった。
「逃げるしかない」と思い、加速しようとしたが、重いギアのままだったのでなかなか加速しない。
足が痛い。

野犬は、俺を中心にして右翼に2匹、左翼に2匹のフォーメーションを組んだ。
必死でペダルを踏む俺の足を噛もうとしている。
疲れたのか、1匹の野犬が脱落したのが見えた。
残り3匹いたが、いつの間にか俺を追いかけるのを諦めたようだった。
助かった。
この間、わずか1、2分だったのかも知れないが、俺は10分ぐらい生死をかけた気分だった。
俺の後にいる学生集団が少し気がかりだ。

普段、サイクリングをしていて、俺の不注意や不可抗力によって怪我をすることはあったが、ここは、次元が違いすぎる。
もう、2度と淀川サイクリングロードは走らないと心に誓った。
命懸けのサイクリングは、さすがにない。

※この記事は、2019年1月23日、俺が別のブログに投稿した文章を、加筆、修正したものです。

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