(166)広島旅行1日目。ゴールはすぐそこだが、アップダウンが辛い。

予定では、夕方5時には、呉駅前の呉阪急ホテルに着いているはずだった。
ただ、現実は、5時を過ぎて、やっと呉市内に入る。
少し前、確か、「呉 26㎞」という案内標識を目にした気がする。
「その程度の距離やったら、本気出して40分やで」と気合いを入れ直そうとしたが、無理。
気力も脚も無い。
口をつぐんで、海沿いの道をゆっくりと走った。

リュックのポケットに手を突っ込み、福山市のコンビニで買ったレモンの飴をほじくりだしたところ、ラスト1個。
それを口に含んで、なめながらクランクを回す。
ふと、「今までロングライド中に飴やらガムやら買ったけど、食いきったのはこれが初めてやな」と思った。
いつも、家に持って帰って、それをちゃんと食ったことがない。
後で思い返すと、「どっかいったわ」という感じだ。

笠岡市と福山市の境目あたりから出発した時、自転車NAVITIME(スマホアプリ)で、呉までの距離を調べるとともに、獲得標高もチェックした。
750mぐらいだったと思う。
「アワイチの半分ぐらいか」と、余裕をかましたが、呉に入ってから辛い思いをする。
「ここは、要塞か?」と。

車もまばらな、山に囲まれた1本の道路。
緩やかな登り。
少しずつ少しずつ、ペダルを踏んで進むんで行く。
目的地の呉駅。
Mさんが待っている呉駅が、もうすぐそこにある。
しばらく降りに入り、余裕をかましていると、また緩やかな登り。
俺の感覚では、獲得標高750mは、とうの昔に終わっていたが、「まだあるんか?」と、心が折れる。
登りきって、降りに入ると、小さな町並みが見えた。
「このまま呉の中心部に入るのだ」と思ったが、ここからも長い。
「もうええって」、「面倒くさいよ」と独り言を言う。

待ちに待った平坦路に出た。
あと少しで広の町だ。
広駅は、呉駅の隣に位置する駅。
「ここで輪行バッグを取り出して、ロードバイクを収納して、電車に乗って…」と、辛い現実から逃げることを考えたが、ダメだ。
邪念を捨て、男らしく真っ直ぐ進む。
疲労困憊で、やたらと長いトンネルをくぐり抜け(ママチャリに乗った姉ちゃんに抜かされた)、待望の呉の街を目にした。

山と海の中、佇む街。
コンパクトにまとまっている。
この時点で、夜の7時ぐらいだったと思うが、まだ日が落ちておらず、街並みがよく見えた。

ゴールが見えた安心感からなのか、「無理に車道を走らんと、のんびり歩道を走ろう」と思う。
ただ、少し歩道を走ったところで、「ガリガリガリ」、「ゴリゴリゴリ」と音がした。
煉瓦を敷き詰めた歩道をロードで走るのはよくないようだ。
車道に戻り、呉の駅前を目指した。
立派な商店街を横目に走るが、閉まっている店も多い。

Googleマップでホテルの位置までたどり着いたが、ホテルの入口がわからない。
どうも、俺はホテルの裏側に着いたようだ。
うろうろして、入口を見つけ、まわりを見渡す。
そして、少し広い場所を探し、脚をとめた。
ホテルに入る前に、輪行バッグにロードを収納しなくてはいけない。
が、その気力が湧かない。
「面倒くさぁ…」。

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