(849)Bianchi ARIAに乗って姫路へ~牛丼豚丼②~

クランクを回しながら、沿道に目を向ける。
「牛丼屋、あれへんかなぁ」と。

急に腹が減り、牛丼が食いたくて食いたくて、居ても立っても居られない。
今すぐにでも、かきこみたい。
しかし…だ。
俺もかれこれ40年以上生きてきた。
それなりに経験を積んだつもりだ。
だからこそ、俺には分かる。
「こういう時こそ、冷静になれ」

冷静になって考える。
今の俺はライド中。
沿道に牛丼屋を見付け次第、一目散に入店したいところだが、店内で食べるのは無理だ。
ロードバイクを外に駐輪しておくと、盗まれる可能性がある。
となれば、テイクアウト。
公園を探し、そこで食べればいい。
40半ばのおっさんが、公園で牛丼を食ってる姿を想像すると気が滅入るが、背に腹は代えられない。

考える。
どこの店に行くか?
どこの牛丼を食うか?
今の俺は、死ぬほど牛丼が食いたい。
ただ、牛丼屋なら何でもいい…というわけではない。

もしも…だ。
沿道に「松屋」を見掛けた場合、スルー。
飽くまでも主観だが、牛めしは不味くはない。
不味くはないが、どうも甘さが気になる。
中1の時に初めて「吉野家」へ行って以来、吉野家の味が基本の味になった。
そんな俺にとって、牛めしの甘さには違和感を覚える。
また、松屋が家の近くにあれば、その味に慣れ親しむことができたのかも知れないが、現実として無い。
店が無い。
これは、縁が無いということだ。

次に、「なか卯」。
スルーだ。
同じく、生活圏内に店が無いため、馴染みが無い。
いや、馴染みが無さすぎて、美味いかどうか判断できない。
確か、随分と前(阪神が暗黒時代だった頃か)に、「このスタイルの店で親子丼が食えるんや!?」と、遠出してまで食った記憶がある。
それ以来、訪れていない。

「すき家」なら寄る。
俺の中で、長年の間「ノーマルの牛丼は吉野家、チーズ牛丼はすき家」というルールがあり、すき家を訪れる度にチーズ牛丼ばかり食べていた。
が、先日、気紛れ…だと思う。
食に対して保守的な俺が、何となく…だ。
ノーマルの牛丼を注文したところ、「美味いやんけ!これ、美味いやんけ!」。
40半ばで人生を、そして世の中を悟ったつもりでいた俺にとって、衝撃的な発見。
「すき家のノーマル牛丼、めちゃめちゃ美味いやんけ!」
「下手したら、吉野家を超えてるんちゃうか!?」
以来、すき家のノーマル牛丼は、気になって気になって仕方の無い存在となった。

「吉野家」も寄る。
慣れ親しんだ味だ。
当然、寄る。
ここはひとつ、変化をつけたい。
「牛丼」ではなく、敢えて「豚丼」を注文したい。
というのも、先日のこと。
「久々に豚丼でも食ってみよかぁ。安いし」
そう思い注文したところ、「豚丼、めちゃめちゃ美味いやんけ!牛丼を超えてるやんけ!」。
豚丼は、牛丼に比べると、単純に豚と牛の違いなのか、味付けの違いなのか、少し大人しい。
どうも、優しい味に思える。
何かが足りない。
そこで…だ。
醤油と七味で、自分好みの味、自分好みの豚丼を完成させるのだ。
「いやぁ、美味いわぁ」
「やっぱり、プロは豚丼を選ぶね」
「うん、プロは豚丼を選ぶ」
40半ばとなり、やっと境地に達した。
やったね。

クランクを回しながら、沿道に目を向け、そして唱える。
「すき家が見えたら、牛丼…」
「吉野家が見えたら、豚丼…」
「すき家が見えたら、牛丼…」
「吉野家が見えたら、豚丼…」
すると、「おっ!」。

つづく

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